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資本主義におけるロジスティクスの役割から探る、これからの物流戦略のあるべき姿とは(2)

mailmaga94

 

古典芸術として日本人に愛されている能には様々な定め事があり、それに拘束されている
芸術であると聞いたことがあります。

しかし、その一方でその奥義を極めるための修業は非常に簡単な2点に絞られるといいます。

”うたい”を謳うには「声は腹から」、そして”舞う”には「足は腰から」。

このたった2点に集約され、この2つの簡単に思えることを一生かかって極めることが能楽師
の宿命です。

能は歩みを見る芸術といわれ、”足を運ぶ力は腰からくる”ということを体得している能楽師は、
ほんの一握りだそうです。

昔から物事の基礎がしっかり据わって、揺るぎのないことを”大盤石(だいばんじゃく)”と岩に
形容して言いますが、自分の呼吸に合わせて緩急自在に足が動き、形容ではなく”大盤石の
歩み”を実際に舞うことの出来る能楽師が名人として奥義を極めたと言えるのでしょう。

私達の日々の仕事を省みると、基本の徹底を怠ったことによる失敗がいくつも思い浮かびます。

目先の利や、目先の課題を小手先で操ろうとするあまりに、盤石を得ない結果に右往左往して
いることに気づかされることも少なくありません。

古典芸術から、基本を徹底して大事にする姿勢を学ぶが出来ます。
物事が上手くいかない時こそ、初心に立ち返り、足元を見て基本に忠実に在りたいものです。

 

***これまで進まなかった物流の研究***

 

さて前回に続いて『資本主義におけるロジスティクスの本来の役割とは何か?』を探りながら、
これからの企業の物流戦略のあるべき姿を考察していきます。

これからの資本主義社会の活性化の鍵を握るのは「物流資本」であると前稿にて、説明をい
たしました。

資本主義社会とは利益を求め続ける競争社会であり、大量生産し、価値を提供することで利
益を得て個々に拡大を繰り返します。

そして資本主義において産業の中心は商業であり、その商業を根底から支えているのが物流
です。

これまで商品が生産者から消費者へ渡る物理的な意味での物流は、産業資本の循環におけ
る”流通過程”ではなく、”生産過程”として扱われてきました。

しかし生産過程においては、いかに生産の効率を上げるかが議論され、いかに効率的に商品
を移動させるかといった議論はあまりされてきませんでした。

古今の経済学や経営学を見てもそれは明らかです。

 

***アダム・スミスの時代から残るある一つの疑問***

 

ではなぜ資本主義を根底から支えるはずの物流がこれまで研究されてこなかったのでしょうか。
それは、アダム・スミスなどの古典派経済学の時代からずっと残っているある疑問があったから
です。

その疑問とは、「商品を右の生産者から左の商人に動かした場合の利潤はいったいどこから発
生するのか?」というものです。

商品を右から左に動かしても、商品価値が増えないという利潤発生に対するこうした疑問は過去
の経済学者によりそれぞれ異なる解を生んではいますが、未だ誰もが納得する解は得られてい
ないのが現実です。

その証拠として、生産者や商人は資本主義社会においてその必要性を疑われることはありません
が、問屋や物流はコストとして扱われてしまい、いかに撤廃し、いかに安く叩くかといった厳しい視点
にさらされています。

古くから続く”物流が市場に提供できる価値”に対する疑問に解を提唱するかのように最近の3PL
では”物流利益”を荷主に提供できると主張しています。

ではこの”物流利益”と具体的にはどういったものでしょうか?

大きくは以下の2つに分類されます。

1つは人員削減、在庫削減、など物流コストの削減です。
そしてもう一つは、リードタイム短縮、遅配や誤出荷の削減などのサービス向上です。

大きくこの2つの価値のことを”物流利益”と称して荷主に提案をしています。

しかし、ここで視点を元の論点に戻し、物流が提供できる価値と未来を見直してみることにしましょう。

 

***すっかり過小評価されている物流の価値と未来***

 

「商品を移動させることで商品自体に何も価値を付与していない」

この定義にピッタリあてはまるものが物流以外に我々の身近にもいくつか存在します。
その最たる例がインターネットです。

”情報”を商品に例えるとその情報を右から左に移動させることで、インターネットは世界中で利
用されています。

しかし、その”情報”自体にインターネットが何かを付け足しているかといえばそんなことはあり
ません

このインターネットの誕生によりあらゆる世界中の人々が必要な時に必要な情報にアクセス出
来るようになり、経済のスピードは飛躍的に向上しました。

このインターネットが資本主義経済に与えた恩恵は筆者がここで語るまでもありませんが、労働
力を前提に研究されてきた古い経済学ではこの現象を明瞭に説明する術を持ち得ていません。

必要な時に必要な情報を手にすることができるこの大変便利な仕組みに私達はいくらの資本を
投じてきたのでしょうか?

そしてその仕組みを利用する私達個人がいくらの費用を負担しているのでしょうか?

さらにはその負担した費用に対してどれだけの恩恵を授かっているのでしょうか?

こうした考察の先に物流の本当の未来と本当の価値が見え隠れしているように思えます。
私達はすっかり物流の価値と未来を過小評価してしまっているのです。

次回につづきます。

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