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物流機能高度化時代のロジスティクス・マネジメント ~リードタイムをもう一度見つめ直そう~

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画像素材:PIXTA

 

*** 太平洋戦争の兵站戦略軽視から学ぶ ***

 

昭和19年3月、およそ三ヶ月に渡る「インパール作戦」は日本側の歴史的な敗北となりました。
太平洋戦争中、日本は中国を孤立させる狙いでインドから中国へ物資を補給するルートの途中にあるインパールを攻略する作戦を実行しました。

しかし、日本軍司令部の兵站戦略の軽視により、前線に食料や弾薬などの物資が十分に届かず、まともに敵と戦うことが出来ないまま大敗を喫してしまいました。

世界の先進国企業の間で、ロジスティクス・マネジメントの重要性が高まる一方で、残念ながら日本ではロジスティクスは付加価値を生む対象ではなく、単なるコストの対象としか考えていない企業が多いのが実状です。

IT企業であれば、理系を専攻した人材が優遇されます。銀行や証券会社等では経済学や商学を学んだ人材が優遇されるでしょうか。
それでは物流業は・・・?

この質問には筆者も回答に困ってしまいます。
我が国の多くの企業では、未だにロジスティクスに専門性を求めていません。
入社して現場で鍛えれば十分だろうと考えています。

中国や米国では、ロジスティクスを専門に学んだ学生が優良企業に積極的に採用されています。
我が国も過去の兵站軽視による苦い経験から戦略の要諦を学び、ロジスティクスの重要性について意識改革を進めていかなければなりません。

本稿では、世界的に進む物流機能高度化時代において、我が国の経済が世界から立ち遅れることのないよう、ロジスティクス・マネジメントについてもう一度真剣に考えてみたいという思いで、数回に渡り皆さまと一緒に考察をしていきたいと思います。

 

*** リードタイムはウサギとカメの競争ではない ***

 

~時は金なり~という古いことわざがあります。
英語で言うと「Time is money(タイム イズ マネー)」となります。
アメリカ合衆国建国の父と呼ばれるベンジャミン・フランクリンが最初に言ったとされています。

長い間、企業間の競争においてリードタイムが重要な差別化要因として位置付けされている理由を一言で表すとすれば、このことわざで十分かもしれません。

「リードタイム」とはオーダーが入ってから納品されるまでの合計時間のことです。
商品の注文を受け付けしてから3日後に商品を発注者に届けることが出来ればリードタイムが3日ということになります。

ロジスティクスにおいては、常に顧客から高速レスポンスを求められます。
ここで言うレスポンスとはリードタイムのことです。

短いリードタイムはロジスティクスマネジメントの成功により高速レスポンスが実現されている証拠であり、逆に長いリードタイムはマネジメントの失敗を意味します。

しかし、ここで少し誤解が生じているようです。
リードタイム戦略は早さを競えば良いという誤解です。
ウサギとカメの競争のように「早く着いた方が勝ち」という勘違いはリードタイム・マネジメントに失敗することになりかねないのです。

 

*** リードタイム短縮の為に抱える在庫 ***

 

生産する為の部品であっても、日常必要な日用品であっても、すべてのマーケットの顧客はリードタイムに敏感になっています。

見方によれば、それは顧客が企業をリードタイムで格付けし、購買する上での選択をその格付けによって決定しているかのように映ります。

したがって、各マーケットではリードタイムは「早ければ早いほど良い」という危機感に近い勘違いが生じ、マーケット上に本来必要のない競争が生じてしまっているのです。

特にBtoBの取引においてはジャスト・イン・タイム・デリバリーを要求されます。
多くの企業はその要求を満たす最も簡単方法として、顧客に代わって在庫を抱えることでその要求を解決しています。

サプライヤーが顧客に近い場所に在庫を抱えることで、リードタイムの短縮が図れるからです。

ウサギとカメの競争力学がマーケットを支配していると勘違いしてしまった企業は、こぞってリードタイム短縮の為に、在庫拠点集中戦略から一転、在庫拠点を分散するリードタイム優先の戦略に切り替えています。

 

*** リードタイム・マネジメントの最適解とは ***

 

ロジスティクスにおけるリードタイムの最適解は顧客との”リードタイムギャップ”を把握することから始まります。
リードタイムギャップとは、顧客がその商品を待ってもよいと考える時間と企業がその商品を提供する時間の差のことです。

顧客のオーダーサイクルは、顧客が商品を受け取り、次の商品を必要とするまでの期間によって決定されます。
つまり、顧客のオーダーサイクル、商品の特性によりリードタイムは決定され、顧客が待っても良いギリギリのラインがリードタイムの最適解になるのです。

顧客のオーダーサイクルと商品の特性をよく分析した上で、リードタイムと抱えるべき在庫を検討すると、企業と顧客の間にこれまで以上の利益を生むことができます。

例えば1週間後に手に入れば良い商品が3日で到着するよりも、1週間後で良いのでその分安くしてもらう方が顧客にとってはメリットが大きいのは明らかです。

顧客が要求するリードタイムとロジスティクス・リードタイムをマッチさせる戦略こそ、物流機能高度化時代に必要なマネジメントになります。

~時は金なり~とは、決して「早ければ早いほど良い」という意味ではないようです。

 

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