EC業界のロジスティクス事情 ~リアル小売業の皆様へ提言!ネット専用業者と同じ土俵で争わない~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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EC業界のロジスティクス事情 ~リアル小売業の皆様へ提言!ネット専用業者と同じ土俵で争わない~

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画像素材:PIXTA

 

*** EC領域はグーグルでもアマゾンには適わない ***

 

「米国のグーグルの最大の競合はアップルやマイクロソフトではなく、アマゾンです。」

数年前に当時グーグルの会長を務めていたエリック・シュミットがベルリンで開催されたベンチャー企業向けの講演でそう発言していました。

当時から検索エンジンといえばグーグルでしたが、グーグルはある領域においてアマゾンに既に負けていました。
それはショッピングをするときの検索です。
米国の消費者がネットで買い物をする時、以前はグーグルで検索していたのですが、アマゾンで検索する消費者がどんどん増えてきて、いつのまにかこの領域においてはすっかり追い抜かれてしまっていたのです。

売上高1000億ドル突破までの期間が小売業の史上最短記録となり、業界ではアマゾンに顧客と利益を根こそぎ奪われることを「To be Amazoned(アマゾンされる)」と言うようになりました。

「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」をミッションに掲げ、長い間検索領域で世界NO1の座を欲しいままにしていたグーグルにとって、このような状況は心中穏やかではなかったでしょう。

これまで常にリアルを避けてきたグーグルでしたが、アマゾンに対抗する為に「グーグル・ショッピング・エクスプレス」というサービスをスタートさせました。

しかし2017年5月30日、アマゾンは取引時間内において史上初となる1株1,000ドル超えを記録し、アマゾンがこの領域で圧倒的NO1であることを世界に知らしめたのです。
IT業界の巨人グーグルでさえも、太刀打ちできないほどの差をつけられてしまったのです。

 

*** リアル小売業の強みを活かした戦略がオムニチャネル ***

 

ECの分野において米国は日本より3年先を行っています。
ですが、日本市場のEC化率は米国ほどではありませんが、EC業界の競争の熾烈さは米国に引けをとりません。

小売業からECを始める企業は今後も増え続けて行きますし、最近では卸売業や製造業がECを始めるケースも増えています。
これまでは小売業と製造業が競合になることはありませんでしたが、ECという大海原に船を出した途端に世界中のあらゆる産業、あらゆる企業との熾烈な争いが待ち受けているのです。

小売業がECを始める際に、重要な戦略となってくるのがオムニチャネルです。
オムニチャネルによってリアル店舗を保有する小売業がアマゾンや楽天などのネット専業者に勝つ方法が見えてきます。

消費者にとって、ショッピングとは楽しさや心地よさ、驚きや発見、感情を含めた体験であり、単に欲しい物を購入するというだけの利便性だけを求めるものではありません。

このように理解すると、差別化ポイントはおのずと見えてきます。
リアル小売業がこれまで磨き上げてきたホスピタリティやパーソナライズされた心地よいサービスがそれです。

リアル店舗の強みを活かす為には、インターネット経由の売り上げの拡大ばかりに専念するのではなく、リアル小売の店舗運営を強化しつつ、ECを上手く利用することが重要です。
そうすることで、消費者により高い利便性を提供しつつ、強みを活かした戦略を構築出来るのです。

 

*** 彼らと同じ土俵で競わない ***

 

ちまたに溢れるECの成功事例に触発され、アマゾンや楽天などに出店しているネット専業者達と全く同じ土俵で争えば、そこに待っているのは消耗戦です。
インターネット経由の売上ばかりに気を取られ、強みであったはずのリアル店舗の店舗運営が疎かになり、業績が悪化してしまうケースは少なくありません。

送料無料や、キャンペーンによる激安セール、1時間以内の配送などネット専業者は莫大な資本を利用して様々な仕掛けをしてきます。
彼らの戦略にまんまと乗っかってしまい、彼らを追随するようなことをしていては、資本力の乏しい中小の小売業に勝ち目はありません。

ネットでの販売はあくまで、販売チャネルの一つであって、あまりネット販売の勝ち負けにこだわらない方が案外上手く行きます。
日本市場のEC化率は増えているとはいっても消費全体の10%にもなりません。

つまり、国内消費の9割以上が未だにリアル店舗により消費されているということになるわけですから、まだまだ消費はリアル店舗が中心であり、ネットはあくまで一つの販売チャネルに過ぎません。

まずは、ネット販売のチャネルをリアル店舗にどのように活かすかという発想に切り替えましょう。

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*** 在庫管理システムの設計が肝 ***

 

例えばネットで商品のきめ細かい紹介をして、消費者がネットでその商品を気に入るとします。
消費者がネット上で商品を購入すると、「お近くの○○店に在庫があるので、すぐにお受け取りが出来ます。」といったキメの細かいサービスを行うことが出来ます。

購入する商品の特性によっては店舗で受取りの際、店員さんに使い方の説明を聞いたり、色々なアドバイスをしてもらいたい場合などもあります。
かといってせっかく店舗に足を運んだのに欲しい商品がなかったりすると消費者の満足度も低下してしまいます。

ネットとリアルを上手く融合させてオムニチャネルを成功させるには、在庫データをリアル店舗とネットでリアルタイムに更新をしなければなりません。
店舗のPOSデータを利用すれば簡単にできるのでは?と思われますがこれが案外上手くいきません。

POSは通常、企業の基幹システムとして構築されており、その在庫データは財務情報として扱われています。
よって、店舗の実際の物や倉庫の物の動きとはタイムリィに連携されておらずズレが生じる場合が多いのです。

財務になると在庫データは資産情報として扱われる為、多くの企業の仕組みではバッチ単位で更新が行われます。
その日の売上が当日の夕刻のバッチ処理で更新され、在庫が反映されるといった具合です。

これだと先のようなキメの細かいサービスをネットで構築することは難しくなってしまいます。
お客様に対して確実な約束が出来なくなってしまうからです。
結局電話で問い合わせてみないと分からない、店舗に行ってみないと分からないとなってしまえば、ネットはただの電子カタログに成り下がってしまいます。

ネットはリアル店舗を活かす為の、強力なチャネルとして活かさなければならないわけですから、在庫の情報はリアル店舗とリアルタイムに連動させなければ意味がありません。

 

※※最後まで読んで頂いた方に耳寄りなお知らせ※※

基幹システムとWMS(倉庫管理システム)では在庫扱い方がことなります。
基幹システムでは在庫をお金として扱います。WMSでは在庫を物として扱います。
この扱い方の違いはそのままシステムの基本設計に反映されますので、基幹システムの在庫管理機能を用いてオムニチャネルを構築するとなると、大幅なシステム改修が必要となり、お金も時間も莫大かかってしまいます。

まずはこうした基本的な考え方を理解して、ネットとリアルの在庫をシステムで上手く融合させる仕組みを構築しましょう。
その辺りの考え方について簡単に説明した資料を準備いたしました。
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