SCMはコミュニケーション!キユーピーのロジスティクス!|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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SCMはコミュニケーション!キユーピーのロジスティクス!

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今回は、キユーピー株式会社さんのご紹介です。

同社は1919年設立、国産初のマヨネーズの製造を開始され現在では、
国内外に60以上の拠点や関連会社を持たれ、もうじき100周年を迎えられます。
おなじみの「3分クッキング」も放送開始から60年を超えました。

社名や商標の表記は「キューピー」ではなく「キユーピー」
皆さんご存知でしたか。

今回はキユーピーさんのロジスティクスとSCMに注目したいと思います。

◆ロジスティクス本部
キユーピーさんのロジスティクス部門の原型は、1988年に生産本部の1つの部署として設立された物流部で、
その後、営業傘下の組織を経て2013年にロジスティクス本部となりました。
しかし、既に1966年には食品専門物流の子会社 (現株式会社キユーソー流通システムさん)を設立していました。

◆キユーソー流通システム
加工食品メーカーの物流子会社と聞けば、
親会社製品の倉庫運営・在庫管理・入出庫や移動・配送などの業務をメインで行っているイメージがありますが、
キユーソー流通システムさんは、業務のほとんどを3PL(thirdpartylogistics)としてキユーピーさん以外の荷主から在庫を預かり、
自社で倉庫管理システムWMS(WarehouseManagementSystem)を開発・運用されています。
効率的な在庫管理には定評があり3PL業界ではトップ10に入るほどの企業です。

◆業務効率化
素早いコミュニケーションと迅速な意思決定を行うため、現在、キユーピーさん社内のロジスティクス本部と同じフロアにキユーソーさんが席を並べています。
ロジスティクス本部が社内の受注や在庫管理、企画などのオペレーション主にソフト面、ハード面をキユーソーさんが3PLとしてキユーピーさん以外の
荷主の倉庫運営、在庫管理、入出庫や移動、配送などの業務を運営されています。
受注は10カ所で行っていたものを1カ所に集約、そのために大変な苦労をされたそうです。
しかしBCPの必要性が囁かれはじめ、2カ所で受注機能を持たせる事になりましたが、拠点集約時の苦労が活かされる事になります。
集約に伴い業務効率の向上、経費削減にも注力した結果、コストカットと共に業務標準化が行えていたのです。
そのため、拠点を増やす事になった際も比較的苦労は少なかったそうです。

◆コミュニケーション型SCM
SCMについても早期に取り組みSCMソフトを導入、日次で生産基準在庫が自動で算出されるシステムで、適正値に合わせ生産計画を立てていました。
在庫削減にはある程度の成果がありましたが、ソフトから算出される数値に根拠が持てなくなったスタッフがおり、交渉や調整で軋轢が生まれ、
生産現場が疲弊してしまう事態に陥りました。
そこでSCMソフトの使用を止め、需要予測は人が考えて分析し、論議して決定していく事にしました。
すると、多くのメンバーは業務に意欲を持って取り組むようになり、営業など他部署とのコミニュケーションが図れるようになりました。
「意思決定は人が行う」これがキユーピーさんSCMです。

現在では年1回、物流、生産、営業、開発、品質のスタッフで部門交流研修を行われているそうです。
在庫中心からコミュニケーション中心にする事で丁寧な仕事をしていく事を目標とされています。

これからも、まず「人」ありきのシステムづくりを目指していこうと思います。