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自社の物流を変えよう!『業界・業種別』物流改善のヒントとノウハウ ~運送業編⑤~

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画像素材:Rawpixel / PIXTA

 

*** 物流施設需要は拡大し、様々な企業が参入 ***

 

物流業界は今、空前の巨大物流センター建設ラッシュに沸いています。
インターネット通販の広がりで物流施設への需要が急激に拡大していることが背景にあります。

また単身世帯の増加などによる消費者の購買スタイルの変化もあり、小口・多頻度の物流ニーズが高まり、商品保管機能や輸配送機能の高度化を求める企業が増えているので、今後も需要は拡大傾向にあります。

三井不動産は2021年までにおよそ800億円を投じて、大規模な物流施設を開発すると発表しています。
今後の建設予定地は広島市・東京都立川市・千葉県船橋市・横浜市で4棟を増設し、複数企業が入居するマルチテナント型を予定しています。
施設には一般の方にも開放する緑地スペースや、従業員向けのカフェ、保育施設なども設けられます。最近の流行ですね。

こうした最新型の物流施設の開発は全国で相次いでおり、東京建物・三井不動産・三菱商事など不動産大手と商社大手による動きが活発のようです。

また米物流不動産投資信託の大手、プロロジスは同業のDCTインダストリアル・トラストを84億ドル(約9100億円)株式交換方式で買収しました。
米国では、サンフランシスコやニューヨークなどのインターネット通販が盛んな都市部を中心に物流施設の高騰が続いていました。
こうした用地にDCTは既に物流施設を設けており、プロロジスはこの買収でこうした都心部での事業を拡大する予定です。

 

*** 企業の物流コスト削減策はロジスティクス改善へ変化 ***

 

日本ロジスティクスシステム協会が作成した『2017年度 物流コスト調査報告書』報告書に過去1年で実施した物流コスト削減策のアンケート結果が掲載されています。
そのアンケート調査によると最も多く実施されたコスト削減策は「在庫削減」でした

そして今回の調査結果で注目したいのは、「アウトソーシング料金見直し」という項目についてです。
2016年度調査以前ではこの項目は毎年50社以上が実施した削減策としてあげていましたが、今回はアウトソーシング料金の見直しを実施した企業は38社まで減少しています。

 
■実施した物流コスト削減策(全業種)
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出典:日本ロジスティクスシステム協会 『2017年度 物流コスト調査報告書』

 

「アウトソーシング料金見直し」が減少した理由として考えられるのは、荷主企業の物流コスト削減の意識の変化です。
“物流”を核として他企業との差別化を図る動きが主流になってきていることから、単に物流事業者に対して値下げ要求をするだけでは、他企業との差別化にはならないというパラダイムシフトが起こっています。
その為、物流事業者との価格交渉に変わって、ロジスティクスの見地から輸送・物流コストの削減策を検討する企業が増えていると推測されます。

インターネット通販の業界では、スモールスタートが容易であり参入障壁が低い為、多くのスタートアップ企業が生まれています。
競争が激化する中で、「コア業務」に集中する為に、物流をアウトソースする企業が増えています。
物流アウトソーシングについては、これまではコストの最適化を図るというよりは、コスト削減という意識で取り組もうとした企業が多かったのです。
しかし、最近ではロジスティクスがこうしたスタートアップ企業の成長のカギを握るということから、契約段階から戦略的なパートナーシップを期待して物流事業者の選定をする企業が増えています。

 

*** 最先端技術の活用を提案出来る物流事業者の不足 ***

 

物流施設の需要拡大や企業の物流に対する意識の変化を見ても、物流がただ「モノを運ぶ」だけの機能から、新たな価値を生み出す存在としてクローズアップされていることが分かります。
こうした時代に物流事業者が最先端の技術をいかに物流分野に取り入れ、5年後、10年後の物流戦略を提案出来るかが問われています。
こうした点については、物流が専門であるはずの物流事業者が荷主企業に対して受け身であると感じています。

物流事業者、運送事業者はICT活用についても大きく遅れています。
荷主企業は製造メーカーや流通事業者になるわけですが、そうした業界に比べてもその遅れは顕著です。
物流事業者の方とお話しすると、ICTに詳しい人材の不足をまず第一に要因としてあげられます。
社会全体でITエンジニアが不足していますので、物流事業者がこうした人材を確保するのは今後益々厳しくなるでしょう。

筆者が推奨する解決策の一つは、IT企業と戦略的パートナーシップを構築する方法です。
業界は異なりますが一つ例をあげるとすれば、米国のウォルマートがマイクロソフトと戦略的パートナーシップを今年7月に提携しました。
ネット通販の王者、アマゾンに対抗する為です。

IoT時代には、最先端技術を活用したリアルタイムでの情報の把握は基本となります。
もし物流分野におけるICT投資を怠るとすれば、その物流事業者の未来は明るくありません。

 

*** 物流量は増え、物量は減少していく ***

 

今後運ぶモノの絶対量は確実に減っていきます。
Eコマース市場の拡大や冒頭のような物流施設需要の拡大といった現象を見ると、物量(運ぶモノの絶対量)まで増えているような錯覚に陥りがちです。
しかし、人口が減っていく日本では消費は減少傾向にあり、それに比例して物量も減っています。
しかし、物流の量は増えていくという不思議な状態になっています。
何故物量が減ってるのに、物流が増えているかというと、個別配送や小口配送の増加が主な要因です。

モノの絶対量は減っていても、物流が増えているために物流量は増えているのです。

これまでは、日本も経済成長に合わせて物流の量は増えていきました。
これは運ぶモノの絶対量が増えていたからです。
しかし、これからはモノの絶対量は減りながら、物流が増えると言う現象になる為、そうした観点で物流戦略を構築していかなければなりません。
物量が増えているという錯覚で戦略を構築するとこれまでのように倉庫規模・倉庫の数・トラック台数で勝負しようとする物流事業者が増えてしまいます。
事実そのような戦略をとっている事業者も少なくないでしょう。
しかし、そうした戦略で勝負していると、売上は上がっても全体としての利益増は見込めなくなるでしょう。やがて頭打ちになります。

インターネット通販やオムニチャネル時代にあっては、消費者の求める物流ニーズは多様化、複雑化しています。
それに比例する形で荷主企業から物流事業者に対するサービス要求も多様化、複雑化しています。
物流事業者にはそれに対応できることが最低条件となり、その仕組みを強化することで利益を生み出せるようになるのです。

 

*** 10年後の物流戦略を提案できる物流事業者になろう ***

 

ほとんどの企業が、物流について5年先・10年先を見据えた戦略を持っていません。
ロジスティクスという考え方が、事業における新たなサービスを生み出す鍵を握っている時代において、これは大変に危惧すべきことだといえるでしょう。

米国のアマゾンやウォルマートでは、10年先・20年先の物流戦略を発表しています。
下記に10年後の物流戦略立案の手掛かりとなるキーワードをご紹介します。
本稿で全ての詳細についてはご紹介することは出来ませんでしたが、是非ご参考下さい。

 

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こうしたキーワードを参考に荷主企業の10年後の物流戦略を提案できる戦略的なパートナーシップを強化することを推奨します。
それが、今の時代、これからの時代に物流事業者に求められることになるからです。

 

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*** 最後まで読んで頂いた方に耳寄りなお知らせ! ***

 

企業のロジスティクス戦略を徹底解説した全85Pのレポートを無料でダウンロード頂けます。
この機会に是非知識向上にお役立て下さい。

 

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