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自社の物流を変えよう!『業界・業種別』物流改善のヒントとノウハウ ~流通・小売業界編②~

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画像素材:freeangle / PIXTA

 

*** 中国市場に活路を見出す動きが再燃 ***

 

京東(JD.com)を運営するJDグループは9月3日、都内で日本発の大規模セミナー「中国マーケットの攻略法~越境ECならこんなに簡単、あなたも中国で売れる」を開催しました。
京東(JD.com)は中国EC市場で天猫(Tmall)に次ぐシェア第2位のショッピングモールです。

京東(JD.com)は日本最大のショッピングモールである楽天とは異なり、各サプライヤーから商品を仕入れ、自社モール内に京東(JD.com)名義で販売するモデルです。中国版Amazonと言えば分かり易いかもしれません。

当日のセミナーでは、日本の高品質且つデザイン性に優れた商品や地域特産品などを京東のネットワークで集め、越境ECルートに乗せて、中国または他国での販売を拡大する戦略について紹介しました。
当面は衣料品・化粧品・食品などに注力する計画で、日本のサプライヤーには越境ECの物流・商流・金融をワンストップでサービス提供できるとしています。

中国のEC市場は2018年中には160兆円まで急伸すると見られており、これは日本の16兆円の10倍の規模です。
この大規模市場に日本国内の流通事業者も狙いを定め新たな動きを見せ始めています。

 

*** 三越伊勢丹が京東(JD.com)と業務提携 ***

 

冒頭の大規模セミナーと同日の9月3日(月)、株式会社三越伊勢丹と京東(JD.com)は都内で調印式を行いました。
調印式には、三越伊勢丹の取締役専務執行役員 竹内 徹氏と、京東集団高級副総裁 王 笑松(オウ・ショウマツ)氏が出席し、京東が展開する中国越境ECサイト「京東全球購」に三越伊勢丹の旗艦店「三越伊勢丹海外官方旗艦店」をオープンしたことを発表しました。

 

■9月3日調印式の様子
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三越伊勢丹は、年間の免税売上が600億円にのぼりますが、そのおよそ7割が中国人観光客です。
需要の高い高品質な日本の商品を更に多くの中国のお客様に販売する為に、この度の戦略的事業提携に至りました。

京東は越境EC専用のモール「京東全球購」の独自のテクノロジーや豊富な越境ECノウハウを活かして、販売からマーケティング、物流に至るまでワンストップで海外ブランドを中国本土に浸透させる為の役割を果たそうとしており、今回の提携はその足掛かりとなります。

三越伊勢丹海外官報旗艦店では、化粧品・リビング用品・ベビー/マタニティ用品・ヘア/ボディケア用品・食品を中心に取扱います。
また日本の地方自治体などと一緒に独自商品の展開などを含め、11月11日までに50以上のブランド数、500以上のアイテムを展開していく予定です。

 

*** 越境ECについておさらい ***

 

「越境EC」という言葉が注目されて数年になります。
ここにきて新たな販路としての期待から越境ECに参入する企業が増え始めています。
しかし、越境ECに興味がありながら、なかなか行動には移せていない企業も少なくないのではないでしょうか。
そもそも越境ECという単語は耳にするけれど、その内容をよく理解されていない方も多いと思いますので、ここで簡単におさらいしましょう。

越境ECとは一言で言えば、「国境を越えて世界市場でオンラインショップを行うビジネス」のことです。
企業側はまず、越境EC専用のプラットフォームに旗艦店となるショップを出店します。
これは楽天などに自店舗を出店するのと同じイメージです。
あとは注文が入るのを待つだけです。
注文後は自社の商品をコンテナ船で海外の免税倉庫に輸送し、決済はネット上で決済サービスを提供する決済代行業者と契約しそこで処理する方法が一般的です。

 

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世界中でスマートフォンが普及したことも手伝って、世界的にみても越境EC市場は拡大しており、専用のプラットフォームも沢山誕生し、今や企業規模に関係なく誰でも簡単に世界市場で勝負ができる環境が整っています。
経済産業省が作成した「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」の報告書に掲載されている越境ECの市場規模について下記のレポートをご覧ください。
■越境EC市場規模(2017年)
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出典:「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」

 

対前年比で日本では7.3%、米国で15.9%、中国で26.8%と大きく成長しており、世界の越境ECの市場規模は2020年まで対前年比20%大の成長が毎年続くと見込まれています。

 

*** 小売業の売上拡大は海外市場も視野に ***

 

これまでの越境ECはどちらかというとメーカーや卸売業が中国や米国の市場を狙うという目的でした。
しかし、冒頭でご紹介した三越伊勢丹が越境ECに本格的に乗り出したように、今後は流通・小売業界でも急伸していくと思われます。
その主な理由としては、この先10年間で国内で起こる5つの変化による国内需要の大幅な減少です。

その5つの変化とは「少子高齢化」「物価上昇」「消費税増税」「所得減少」「ファミリーユース減少」です。
こうした変化により国内需要の先行きはネガティブな要素が多く、流通・小売業界でもこの先売上拡大を図る為には海外市場に目を向けざるを得ない状況となっているのです。

 

*** 中国?米国?越境ECで狙うべき市場 ***

 

越境ECというと、米国や中国の市場を狙うというイメージがこれまで一般的でしたが、今後はその他の国や地域を狙う企業も増えていきます。
米国や中国の市場は世界最大規模の為、当然日本だけではなく、世界中の企業がその市場を狙っており、今や激戦市場になりつつあります。

高い成長率を見せるアメリカと中国の越境ECは今後も当面主戦場となりますが、その他の国への進出も模索していく必要があるでしょう。
国内の流通・小売企業にとって比較的進出しやすく、チャンスをつかみやすい市場が、ベトナム、インドネシアなどの東南アジア圏です。
東南アジアのEC市場は、中国や米国などと比べるとまだまだ発展途上ですが、その分競合企業が少ない為、面白い市場と言えます。

東南アジアの越境EC専用のモールとして今注目を浴びているのが、2016年4月に中国のアリババグループが10億ドルで買収した「Lazada(ラザダ)」です。
Lazadaはベトナム・インドネシア・マレーシア・タイ・フィリピンの6ヶ国に展開しており、様々なジャンルの商品を出品しています。

2017年時点で出品者数は1万5千人以上、1日の訪問者数は400万人にのぼっており、今後も更なる成長が期待されています。

 

*** 越境ECでの物流 ***

 

越境ECによって世界市場でビジネスをする上で、必ず発生する問題が物流です。
国内企業が海外消費者向けに商品を配送する場合、大きく分けて以下3つの方法が一般的です。

 

1.企業自から海外消費者に向けて商品を配送する

2.注文毎に国内の提携事業者の物流拠点に商品を送り、提携事業者が現地の消費者に配送する

3.現地に物流拠点を持ち、現地拠点から消費者に配送する

 

1.については資本力のある大企業でないと難しいでしょう。
中小企業が越境ECをスタートする場合は2や3の方法が用いられることになりますが、先にご紹介した越境EC専用のモール「京東全球購」等では、物流などについても全てサポートしてくれるので、企業側で心配することがなくなります。

企業側はコンテナ輸送する国内の港まで荷物を配送するだけで、現地の配送についての心配は一切ありません。
今後はこうした方法が主流となるでしょう。

 

*** まとめ ***

 

今後も人工減少などの影響により、国内市場の成長は鈍化していきます。
そのため、日本の流通・小売事業者にとって、新たな販路として海外市場はどんどん目を向けていくべきです。
また2020年に開催される東京オリンピックにより日本を訪れた多くの外国人が日本で買って気に入った商品を帰国後に越境ECで定期購買するという動きも予想されます。
こうした絶好の機会を活用しない手はありません。

業界や企業の大小に関係なく越境ECのプラットフォームを活用することで、世界を相手にビジネスを拡大できる絶好のチャンスです。

 

参考文献
『平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備』経済産業省
『月刊マテリアルフロー 2018年10月号』流通研究社
『ECのミカタ通信 2018年 Vol16』 ECのミカタ株式会社
株式会社三越伊勢丹ホールディングス 公式プレスリリース

 

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