食品業界の品質は食品物流システムで決まる! 第10弾|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

物流業界トピックス

食品業界の品質は食品物流システムで決まる! 第10弾
~流通の業務効率化を担うSCMラベルとASNの活用~

no49

前回は業務効率化においてEDI、流通 BMSの話題について触れさせて頂きました。
EDI連携する事で、シームレスな体制を作る事が可能となります。

今回は、流通業の効率化において最適化の有効な手法として存在するSCMラベルの活用とASNについて述べさせて頂きます。

もう既に活用されている企業様も多く存在しますが、このSCMラベルの活用は、サプライチェーン展開するメーカー・卸業の出荷元で作成し、受入れ先の小売業ではよりシームレスな業務効率化に繋がる仕組みとなります。

no49 図1

■SCMラベルの活用で得られるメリット

SCMとは、Shipping Carton Markingの略で、カラコンやダンボールに貼り付ける図1のようなラベルを指しており、異なる商品が混載で同梱されている場合において、これまで開梱して1つ1つの商品バーコードをハンディターミナルでスキャンし、受入れ先で入荷検品をしていた業務に対し、SCMラベルに印字されているバーコードをスキャンする事で、同梱商品の一括入荷、在庫計上を可能とします。
そうする事で、受入れ先では入荷業務における迅速化と正確化が図れます。

■ASNデータでノー検品の実現化

上記にある一括入荷、在庫計上を可能とする役割を担うのがASNデータの存在になります。
ASNとは、Advanced Ship Noticeの略で、出荷事前情報を指しており、図2にあるように出荷元となるメーカーや卸業にてSCMラベル作成の際に出荷検品した出荷実績データをASNデータとして受入れ先の小売業へ出荷事前情報として連携、共有します。
そうする事で、受入れ先の入荷時にASNデータとSCMラベルを照合し、入荷検品のシームレス化が図れ、入荷伝票と現物との照合が実質不要、ノー検品となります。
店頭バックヤードでの受入れ、陳列業務などの煩雑化しやすい業務環境において、精度向上と共に作業時間短縮にも有効な仕組みとなりますので、入荷時に関わらず影響と効果範囲は広く、業務の効率化、最適化を図る事が可能となります。

EDIでの受発注データの連携。SCMラベルとASNデータの活用。
業務工程をシームレス化し、精度を高め迅速化を行い、業務効率化を図る事で多様なニーズに対応できる供給体制が確立され、他社との差別化においても加速します。
昨今では、こうした仕組みもだいぶ導入ハードルが下がってきたところではありますが、まだまだ大手企業特有の供給ラインとも言えます。
一夜にして確率される仕組みではありませんが、商品供給において物流最適化の1つの参考にして頂ければと思います。

著者:モリオ
飲料メーカーで培った経験を活かし、 食の安全と物流をキーワードに執筆活動開始。