物流最適化に向けアパレル業界の【いま】に疑問を抱く②|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

物流業界トピックス

物流最適化に向けアパレル業界の【いま】に疑問を抱く②

no38

 

皆様こんにちは。
前回の記事に引き続き【物流最適化に向けアパレル業界の【いま】に疑問を抱く】をテーマに記事を書きたいと思う。
今回の【いま】はアパレル業界の『進むオムニチャネル化に反して縮小する消費』について考えていく。

 

◆アパレル業界に根付いたプロモーションによる明暗

 

以前からアパレル業界ではファッションショーを行い半年ほど先の消費に向けた提案を行っていた。

ファッションショーは巨額の費用や時間がかかる割には消費には直結しにくいことが以前から問題視されていた。
今に始まったことではないが、ショーの後に別のアパレル企業から同じようなデザインが低価格で発売され
ることも多々ある。

基本的にバイヤーやプレス等の関係者向けに行われることが多く一般消費者が直接足を運ぶことができないことも消費に直結しない
要因に考えられる。

一方、ファストファッションブランドは季節や気候にあう商品をタイムリーにリリースする戦略が現在の消費者の
動向にマッチして成長を続けている。

従来の販売戦略では後手に回ってしまうため、いくらオムニチャネル化が進みシステムによる在庫管理がシームレスに
行うことができても、販売計画に達することがむずかしくその結果、過剰在庫の発生の温床につながることも容易に想定ができる。

このように以前の記事でオムニチャネルはどの企業にも大きな効果をもたらすことを書きましたが現在、企業ごとに大きく明暗が
分かれている。オムニチャネルについて詳細はこちらを確認いただきたい。

https://www.inter-stock.net/industrytopics/no22/

 

H28.11はこぶる資料

 

◆See Now・Buy Nowによる消費者とブランドの新たな向き合い方

 

しかし、近頃ではショーの終了直後に売り出しを始める【See Now・Buy Now】形式を採用するケースが少しづつではあるが増えている。

この取り組みの背景には、これまでの【業界関係者】向けのイベントに【一般消費者】を取り込み、それぞれ異なる視点からアプローチすること
で実現できる取り組みである。

一般消費者向けにショーの動画をネット配信を行いでその季節に合った商品を発表し、消費の活性化を狙う。
関係者向けには、商品が店頭に並ぶ6ヶ月目に情報提供を行い。、コレクションのテーマ等の情報を提供する。

今年9月に開催された2017年ニューヨークコレクションではこの傾向がみられこれまでの消費者とブランドの関係の変化が感じられた。

しかし実際に行うことは容易ではないと考える。
進むオムニチャネルに対し業界自身の販売スタイルが遅れをとっている問題はすでに浮き彫りになっている。

特にファッションショー後に一般消費者を取り込むことで一時的な購買意欲の向上には期待が持てるが、その際の問題点として【在庫
管理】は重要になると考える。

せっかく購買意欲が高い状態で商品を検索して【在庫不足】等の欠品が多いとさらなる消費の低下や別のブランドへの流出に繋がる
可能性がある。

 

◆まとめ

 

拡大するオムニチャネル化に反して縮小する消費を企業は常に新たなチャレンジが求められる。
その中でも、まだまだ改善の余地が残されているのが【在庫管理】ではないだろうか。

消費が減少する中ではついつい販売することをメインに戦略を考えてしまいがちだが、まずは現状を把握するためにも
今の在庫がはたして正常なのかそれとも過剰在庫なのかを判断することも重要になると考える。

 

著者:コニー
アパレルブランドで培った経験を活かし、 アパレル物流について日々勉強中。