WMSとTMSの違いと両者の連携で物流を最適化する方法|「INTER-STOCK」オープンソースのクラウド型WMS(倉庫管理システム)

物流・倉庫改革の夜明け

倉庫

WMSとTMSの違いと両者の連携で物流を最適化する方法

  • 倉庫内の在庫管理と配送管理が別々のシステムで手作業…データが合わずミス続出
  • 物流DXの文脈で「WMS」「TMS」ってよく聞くけど何がどう違うのかわからない
  • 在庫や配送情報を一元化して効率化したいけど、システム連携なんて難しそう…

 

上記のような悩みを抱えていませんか?

人手不足や「2024年問題」(トラックドライバーの残業規制)などを背景に、物流現場での業務効率化は緊急で解決すべき問題です。

もし倉庫管理(WMS)と配送管理(TMS)がバラバラだと、情報共有のタイムラグや人的ミスにより在庫切れや配送遅延を招きかねません。

 

本記事では、物流システム導入実績800社以上を誇るインターストックWMSの知見をもとに、WMSとTMSの基本からシステム構成、API連携の技術まで分かりやすく解説します。

倉庫内作業と輸配送業務を一貫管理することで、時間やコストの無駄を省き、ミスを未然に防ぐ方法が分かります。

 

結論:WMSとTMSはそれぞれ倉庫内と配送の専門システムですが、連携することで物流全体を効率化できる!

 

WMSとTMSの役割と違いは「管理する範囲」

 

まずWMSとTMSという言葉の意味を整理しましょう。

 

  • 倉庫管理システム=WMS(Warehouse Management System):倉庫内の在庫や作業を管理・最適化するシステム
  • 配送管理システム=TMS(Transportation Management System):倉庫から出荷した後の輸配送プロセスを管理・最適化するシステム

 

簡単に言えば、WMSは倉庫内、TMSは倉庫外(配送)を担当します。

 

WMSの機能

WMSには、

 

  • 入荷検品
  • 在庫ロケーション管理
  • ピッキングや梱包
  • 出荷指示

 

といった機能があります。

倉庫作業の効率化と正確化を図るのがWMSです。

 

TMSの機能

TMSには、

 

  • トラックの配車計画立案
  • 配送ルートの最適化
  • 輸送中の進捗追跡や運賃計算

 

などの機能があり、輸配送業務を効率化します。

 

つまり、WMSは在庫制度や倉庫作業効率を高め、TMSは配送コスト削減やリードタイム短縮に寄与するのが大きな目的です。

 

WMSとTMSを連携することで一貫した管理が可能に

両者は管理対象が異なるため、WMS単体では倉庫内作業まで、TMS単体では配送だけしかカバーできません。

しかし、倉庫管理業務を請け負う企業であればWMSとTMSを両方導入し連携させることで、入荷から配送完了まで一貫した管理が可能になります。

例えばWMSで確定した出荷データをTMSに自動連携すれば、担当者が手作業で配送情報を入力し直す必要がなくなり、即座に最適な配車計画の立案に活かせます。

 

WMSとTMSを連携させるメリット

では、WMSとTMSを連携する具体的なメリットを整理します。

 

  • 在庫〜配送情報の一元化
  • 業務の効率化と標準化
  • リードタイム短縮とコスト削減
  • 物流全体の可視化とサービス向上

 

1つずつ見ていきましょう。

在庫〜配送情報の一元化

倉庫内の在庫数や出荷状況と、配送中の進捗情報がリアルタイムで共有されます。

営業や調達部門とも同じデータを参照できるため、「在庫あると思って売ったら欠品」「配送状況が分からず顧客対応に遅れる」といった事態を防ぐことができます。

 

業務の効率化と標準化

WMSからTMSへ出荷データが自動連携されることで、重複入力や伝票の手渡しが不要になり人的ミスが減少します。

また、配車業務も経験や勘に頼らずシステムで標準化でき、担当者の属人化解消にもつながります。

 

リードタイム短縮とコスト削減

出荷から配達までの全行程が最適化されるため、配送リードタイムの短縮やトラック積載率向上による燃料費削減など、時間とコストの両面で効果があります。

例えば在庫データと連動した適切な配車により、無駄な緊急配送や空車回送を減らせます。

 

物流全体の可視化とサービス向上

WMS+TMS連携により物流プロセス全体のデータが可視化されます。経営層から現場までKPIを共有しやすくなり、継続的な業務改善を回しやすくなります。

また配送遅延の兆候を早期に把握して顧客へ事前連絡するなど、サービス品質向上にも役立ちます。

結論:WMSとTMSを連携することで、「倉庫ゲートから先は見えない」「配送状況が把握できない」といった情報断絶をなくし、物流全体を一気通貫で管理・最適化できる。

 

WMSとTMSをつなぐシステム連携の方法

異なるシステム同士を連携させるには、いくつか技術的な手段があります。

一般的に用いられる連携方法は次の3種類です。(参考)

 

  1. CSVなどのデータファイル連携
  2. データベース直接連携
  3. Web-API連携

 

CSVなどのデータファイル連携

最も基本的な方法で、WMSから出荷実績などのデータをCSVファイルに書き出し、TMS側で読み込む手法です。

手動でも自動でも実装可能ですが、リアルタイム性に欠けるため数分単位のタイムラグが発生します。

 

データベース直接連携

両システムのデータベースを直接参照し合う方法です。中間テーブル(ビュー)を介してWMSとTMSがお互いの必要なデータを読み取ります。

リアルタイム性は高まりますが、データ構造の理解やDBアクセス権限の調整が必要です。

 

Web-API連携

現在主流となっている方法で、システム間でAPI(Application Programming Interface)を公開し合い、リアルタイムにデータをやり取りする手法です。

例えばWMSが提供するREST APIに対し、TMSが出荷オーダー情報をJSON形式でリクエストすることで、在庫引当から配送手配までを自動化できます。

API連携の利点は、データ形式や送受信手順が決まっているためシステム同士の仕様調整が容易なことです。

一方で注意点として、相手システムがAPI非対応の場合もあるため事前確認が必要になります。

 

どの連携方法が良いの?

これらの手段はそれぞれ一長一短があります。

リアルタイム性が求められるならAPI連携、手軽さ重視ならCSV連携といったように、自社の要件や既存システムの特性に合わせて選定することが重要です。

中小企業の場合、まずはCSV連携から始め、徐々にAPI連携へ移行するケースも多く見られます。

 

さらに、WMSとTMSを含む複数システムを統合する全体アーキテクチャ設計もポイントです

例えば基幹のERPやOMSをハブにして各システムと連携する構成や、EAI(企業アプリ統合)ツールを使ってデータ連携を一元管理する方法もあります。

システム全体を単一プラットフォームで統合する場合と比べ、専門システムを組み合わせる場合は自社側で複数ベンダーをコントロールする体制が必要ですが、その分各分野に最適な技術を取り入れやすく、部分的な改修コストも抑えられるメリットがあります。

(参考)販売管理パッケージ、生産管理パッケージとの連携事例

 

シングルベンダー vs マルチベンダーの導入方式の違い

1社のシステムベンダーで社内のシステム全体を構築することを「シングルベンダー方式」といいます。

逆に、複数のシステムベンダーで社内のシステム全体を構築することを「マルチベンダー方式」といいます。

シングルベンダー方式のメリット・デメリット

【メリット】

  • 窓口が一社なので問い合わせが簡単
  • 一社にお任せできるので、仕様決めや管理が簡単

【デメリット】

  • 1社のみの意見や知識で情報システムが構築されるため、新しい技術ややり方が導入されにくい
  • 開発金額など、システム会社の言いなりになりやすい
  • 関係がなれ合いになってしまい、いい緊張感が保たれない
  • システムが肥大化し、少しの改修に時間もコストもかかる
  • 1社に自社のシステムを全て任せてあるので、リスクが高い

マルチベンダー方式のメリット・デメリット

【メリット】

  • それぞれの分野に特化したベンダーから様々な技術ややり方を導入できる。
  • それぞれのシステムがコンパクトでシンプルなので、改修費用が低コスト
  • ベンダー間で良い意味で牽制し合えるため、1社の言いなりになりにくい

【デメリット】

  • 各システムベンダーの管理、コントロールが出来る人材が必要
  • 窓口が複数になる為、障害がなどが発生した場合、自社で原因の切り分けが出来る体制が必要

 

これからは1社に依存しないマルチベンダー方式が主流に

マルチベンダーの場合、システム導入時や改修時に複数のベンダーと調整を行わなければならないため、クライアント側の手間が増えてしまいます。

逆に全てお任せできる分、シングルベンダーの方であれば手間はかかりません。

しかし、面倒だからといってこの手間を省いて自社の情報システムを1社に依存してしまうのは、様々なリスクをともない、長期的な視点から見ればデメリットの方が多いというのが弊社の考え方です。

 

インターストックWMSで実現する柔軟な連携

数あるWMS製品の中でも、インターストックWMSはシステム連携の柔軟性に優れています。インターストックはセミスクラッチ型でソースコードを公開しているオープンソースのWMSです。

そのため、自社エンジニアによるカスタマイズ開発や他システムとの独自連携が視野に入れやすいという特徴があります。

事実、インターストックはこれまでに800社以上で導入されており、その多くで自社業務に合わせた機能拡張や連携が行われてきました。

 

インターストックWMSでは、上述したCSV連携・DB連携・API連携のすべてに対応可能です。

特にWeb-APIによるリアルタイム連携機能は充実しており、外部の販売管理システムや配送システムとのデータ交換をJSONベースで実装できます。

実際の導入事例でも、基幹ERPとインターストックWMSをAPI連携し受注から出荷指示を自動化したり、TMSと連携して配送ステータスをWMS側で見える化したケースがあります。

 

ローコードでカスタマイズ可能

また、インターストックはローコード開発環境を備えており、プログラミング知識がなくても画面項目や帳票レイアウトのカスタマイズが可能です。

これにより現場主導でシステム改善を継続しやすく、将来的な機能追加や他サービスとの連携拡張にも柔軟に対応できます。

たとえば、新たに物流ロボットやAIカメラを導入する際も、オープンなAPIで接続しインターストック上でデータ統合する、といった応用も考えられます。

当社が提供するインターストックWMSは、拡張性を前提に設計しています。

TMSをはじめ基幹・周辺システムと柔軟に連携でき、企業ごとの物流DX基盤をスピーディに構築できます。

 

WMSとTMSに関するよくある質問

それでは、インターストックの代表東がWMSとTMSに関するよくある疑問に答えていきます。

より細かいことや自社の状況に合わせて質問したい方は、ぜひお気軽に無料相談にお申し込みください。

 

1.中小企業でもWMSやTMSを導入するメリットはありますか?

A.はい。十分にありますし、中小企業だからこそ導入を検討するべきです。

2.WMSとTMSは一緒に導入したほうが良いのでしょうか?

A.企業の戦略や現状により異なります。それぞれ導入目的が違うため、自社の現状や成長戦略に沿った運用計画を探りましょう。

3.WMSとTMS、導入の優先順位はどちらが高いでしょうか?

A.こちらも企業の戦略や現状により異なります。貴社に最適な導入計画をプランニングするお手伝いも可能です。

4.WMSやTMSを導入する際のROIはどのように考えればよいでしょうか?

A.まずは人件費削減などの定量的なROIを算出しましょう。続いて顧客満足度向上のような定性的な評価も加えます。

5.WMSを導入すると在庫精度はどのくらい改善できますか?

A.バーコード管理することで、10%~30%の在庫精度向上が見込めます。

6.クラウド型とオンプレ型のWMSにはどのような違いがありますか?

A.クラウド型であれば自社にサーバーを置いて管理する必要がありません。サーバーのイニシャルコストも不要です。

8.導入費用の目安はどれくらいですか?

A.カスタマイズの有無によっても違いますが、一般的に中堅企業のWMS導入で1000万円~3000万円が目安です。

9.WMSやTMSを導入する際に失敗しやすいポイントは何ですか?

A.ユーザー企業がベンダーに丸投げしてしまうとまずうまくいきません。

10.既存の基幹システム(ERPなど)と連携できますか?

A.はい。連携可能です。テキスト連携、CSV連携、API連携が可能です。

11.導入にかかる期間はどのくらいですか?

A.カスタマイズが有る前提で、6ヵ月から8ヵ月程度です。

12.システム導入後に社内教育や運用定着はどのように進めれば良いですか?

A.こちらはユーザー主導の方がうまくいきます。まずは現場リーダーを任命し、リーダーに教育したのちに、そのほかの現場担当者に展開しましょう。

13.どの業種・業態でWMS・TMSが特に役に立ちますか?

A.基本的に物流や在庫管理の機能を持っている企業であれば業種を問わずに役に立ちます。

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