『食品ロス』の問題に対して企業が取り組むべき、物流・在庫管理について(4)|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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『食品ロス』の問題に対して企業が取り組むべき、物流・在庫管理について(4)

mailmaga94

食欲の秋到来ですね。
ついつい食べ過ぎてしまうこの季節。

気候もちょうどいいので、しっかり食べた分、
カロリーを消費させるために歩く方が増えるのもこの季節ですね。

健康の為に1日1万歩というのをよく聞きますが、
実は歩きすぎは良くないそうです。

また歩き方や姿勢によっては、膝や腰を痛めたり、
免疫力が下がってしまうことも。

適度な目安としては、1日20分、8千歩。

また背筋を伸ばして、大股で少し早歩き
すると効果絶大です。

秋になると通勤時に1つ前の駅で降りて徒歩で
出勤されるビジネスマンも増えますが、手に重い鞄
など持っていると体の重心が傾くので両手を自由に
振れるリュックタイプがオススメです。

みなさんの健康で幸せなビジネスライフの為にも、
今日からでも実践していただけたらと思います。

 

さて前号では日本の厳しい納品期限ルールが食品ロスを発生させる
構造になっていること、また業界全体でこの議論に焦点をあてて
是正を進めていかなければならないことを書きました。

では、この納品期限の問題について企業側、消費者側で
どのような手が打てるのでしょうか?

メーカー、卸売、小売、消費者といったそれぞれ違う立場
での実例を少しご紹介しましょう。

<小売側の事例>

東京・亀戸に店舗を構える食品スーパー「サンケイスーパー」には店舗2Fの奥に
賞味期限切れの加工食品を並べて販売している”もったいない棚”が設置されて
います。

賞味期限の切れたジュースやカップ麺などの加工食品が格安で売られており、
十数年も続く人気コーナーです。

デンマークでは、賞味期限切れ専門のスーパーもあり、行列が出来るほど
繁盛しているようですから、賞味期限切れの食品でも構わないといった消費者
ニーズは私達が考えるよりも意外と多いのではないでしょうか。

<メーカー側の事例>

前橋市にある豆腐メーカーの「相模屋食料」では、
日本気象協会とタッグを組んでこの食品ロスの問題に取り組みました。

これまで同社では毎日多くの商品を廃棄していました。
しかし、小売企業からの注文に対して欠品は今後の取引に影響も
出る為、どうしても商品を多めに在庫するしかありませんでした。

こうした”安全在庫”ならぬ”安心在庫”により廃棄される不良在庫
を少しでも減らそうと経験や勘を頼りに製造を試みましたが、
見込みが外れることも多くなかなか改善には至りませんでした。

そんな折、蓄積した気象データを元に、企業活動を支援するサービス
を気象協会が行っていることを知った同社は早速動きました。

まずは夏向けの「寄せ豆腐」という商品に限定し、過去1年間の気温
の変化と販売数の関係を徹底的に分析したのです。

そうすると、1つのある傾向を導き出すことが出来ました。

「寄せ豆腐」は、暑さが続いた日よりも、前日より気温が大きく上がった時
によく売れていることが分かったのです。

この結果から、消費者が「暑くなった」と感じるときに需要が伸びると
仮説を立て、生産計画を見直しました。

その結果、「寄せ豆腐」の食品ロスは30%削減され、
1000万円のコスト削減につながりました。

こうしたサービスを企業が積極的に、利用するのも一手でしょう。

<卸売側の事例>

小売側から注文が来たとき必要な在庫がないと、卸側には欠品の
ペナルティとして、罰金や取り引き停止の処分が下される場合が
あります。

そのため卸側は、ロスが出る恐れがあっても常に在庫を過剰に
持たざるをえません。

福岡県柳川市の外れにある「スーパーまるまつ」では、
店舗のあちらこちらに欠品した棚が見られます。

このスーパーでは、欠品することを覚悟の上で過剰な
在庫を持たないことにしているのです。

しかし単にお店の都合だけで欠品を増やしてしまうと、
お客様は離れていってしまいます。

そのため、このスーパーでは卸の担当者と徹底的に日々の売上情報を
共有しています。
卸と小売側では通常1ヶ月単位で売上情報を共有し仕入れ調整を実施
しますが、ここでは1週間ごとに行い仕入数を見直しています。

小売側と卸売側が密に情報を交換し、ロスを最小限に
抑えながら顧客も逃さない好例ではないでしょうか。

<消費者側の事例>

食品ロスを削減する為には、流通やメーカーの取り組みも大事ですが、
私達消費者の役割も重要です。

もとをたどれば、食品ロスは消費者の「新鮮さを求める強い意識」
に販売側が応えようとした結果だからです。

スーパーで買い物をする時に、奥の方の商品を手にするの
ではなく、数日以内に食べることがわかっている商品などは、
手前の商品をとるようにしてみてはいかがでしょうか。

また、賞味期限が近づいた商品などを販売しているサイトなどが
あるので、そういったサービスを積極的に利用するというのも
有効な一手です。

通販サイト「KURADASHI.jp」では、メーカーや百貨店などと
契約し、賞味期限が近づいたりした食品を格安で販売しています。
https://www.kuradashi.jp/

最近はで楽天などでも、賞味期限真近の商品を販売しています。
ネットで「楽天 賞味期限」で検索してみてください。

 

今回はそれぞれの立場で食品ロスに対して打てる手を実例を
交えてご紹介いたしました。
明日から私達にも取り組める対策はまだまだ沢山あります。

日本人が古来から持ち続けている「もったいない」という意識
のもと、食品を大事にするという気持ちを、メーカーや流通から消費者まで
すべてで共有し、小さなこともで良いので自分達の立場で出来る
ことを行動に移すことが重要ではないでしょうか。