資本主義におけるロジスティクスの役割から探る、これからの物流戦略のあるべき姿とは(1)|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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資本主義におけるロジスティクスの役割から探る、これからの物流戦略のあるべき姿とは(1)

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先週、日米首脳会談が行われました。

1月20日にトランプ大統領が登場して以来、彼が打ち出す新しい政策は米国のみな
らず、世界中に不安を与えています。

世界中の誰もが首を傾げる彼の言動ですが、この事業家出身の米国大統領の真意
はどこにあるのでしょうか。

現在の世界の民主主義といわれているものは、どこか人間の質を軽視し、理屈と理論
を並べて最終的に数で決しているように思えます。

まるで数と理論の前に「人間はない」と言っているかのようです。

実際問題として人を中心とした政治は実行的になりますが、人を無視して数や理論を中
心とすれば形式的となります。

現在の民主主義の議会や選挙等は、人間の質をどこかに置き忘れて、数に頼っている
好例ではないでしょうか。

その為に行き詰っているように思えてなりません。

そうした現代の民主主義に警鐘を鳴らすのがトランプ氏の真の意図だとすれば・・・

できるだけ主張すべきものは大袈裟に主張して、議論を大いにやり、しかしいったん主張
し終われば、米国主義から離れて無私の境地にかえり、大局を見ようとしているのであれ
ば、トランプ氏のやり方にも頷ける部分が出てきます。

民主主義は原則として少数意見を尊重しますが、大多数の意見を全体の方針に反映さ
せ、大多数の利益を擁護していこうとする多数決原理を基本としています。

この多数決原理の欠点をわきまえた上で、数や理論にとらわれず、本当の人間の判断
を尊重し、民主主義の在り方を根底から見直そうとしているのであれば、期待するところ
大ですが、果たして真相は。。。

しばらくトランプ氏の動向から目が離せません。

 

***資本主義に存在する複数の資本の役割***

 

さて今回からは『資本主義におけるロジスティクスの本来の役割とは何か?』を探りなが
ら、これからの企業の物流戦略のあるべき姿を考察していきたいと思います。

資本主義社会とは利益をもたらすために求め続ける競争社会です。大量生産し、利益を
得て拡大を繰り返します。

こうした生産者を「産業資本」と呼び、メーカーや製造業がこれにあたります。

「産業資本」が利益を求めて大量生産するからにはもちろん売らなければ意味がありません。

商品を作る期間と売る期間、このふたつを効率的に繰り返さなければいけないのです。

商品を作る「生産期間」と商品を売る「流通期間」、このふたつを経て得たお金を使ってまた
次の生産に入ります。

この繰り返す一連の流れを「資本の一回転」と呼びます。

生産の効率化の為、「生産期間」と「流通期間」を並行した場合どうしても流通コストの分だけ、
「生産期間」に投入する資本を減らさなければなりません。

産業資本にとっては、「流通期間」はできるだけ短くして早期に利益を回収したい・・・

そこで「商業資本」と呼ばれる卸売業者や小売業者などが発展します。

彼らは産業資本が作った商品を卸値で買い取り、流通販売を全面的に行う役割を担います。

彼らのおかげで、資本の回転に一気に拍車がかかります。

作れば売れて商品はすぐにお金になります。産業資本は流通にかけていた諸費用を次の生産
にあてることが出来るようになります。

しかし、「商業資本」にも体力の限界があり、手形などで支払いを約束し、「商業信用」で仕入を
行う場合があります。

そんな場合でも産業資本家はその手形を銀行などの「利子生み資本」に売ることで売り掛けを
即時資本化できるのです。

つまり「商業資本」と「利子生み資本」の存在によって資本主義社会はさらに活性化していくのです。

 

***資本主義社会の活性化の鍵を握る「物流資本」***

 

マルクスの資本論によりこれまで長くにわたり資本主義経済で語られてきた「産業資本」「商業資本」
「利子生み資本」に加えて、今後は新たに「物流資本」という観点が必要になってくると筆者は考えます。

商品の流通過程において物流要素すなわち”労働力”と”物流手段”の形態をとる資本を物流資本と
いい,マルクスの経済学でいうところの”流通資本”や”生産資本”とあえて区別します。

近代経済学の巨匠ピーター・ドラッガーが『最後の暗黒大陸』と称したロジスティクス(物流手段)。

古今の経済学では、物流という分野は”ミクロの経営学”として、あまり取り扱われてきませんでした。

今後の資本主義経済において、この”物流資本”が担う役割について、次回より考察を深めていきたい
と思います。

筆者の独断と偏見が多分に含まれていることを寛大な心でご容赦頂き、みなさんの今後の物流戦略
立案の判断材料になれば本望です。

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