『アパレル物流の特徴』第七回 ~変化を続けるアパレルEC事情~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

物流業界トピックス

『アパレル物流の特徴』第七回 ~変化を続けるアパレルEC事情~

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皆様こんにちは。
今回は【変化を続けるアパレルEC事情】に注目して記事を書きたいと思います。

これまでにアパレルに関する物流記事をいろいろ書いてきましたが、やはり一番気になる点は【EC】についてです。
今後もますます市場規模の拡大が予想され、【EC】について今後アパレル業界がどのような動きを見せるのか、そして物流に対してどんな変化が生まれるのか気になっております。
自分なりにいろいろとアンテナを張り巡らしていると面白い情報が入ってきましたので紹介したいと思います。

■レンタルサービス

レンタルサービスと聞くと、CD・本・DVDのイメージが強かったのですが、最近では衣料品・バック等のレンタルサービスが少しずつ増えています。
女性をメインターゲットにしており企業ごとにいろんな付加価値をつけていました。
例えば、スタイリストが服を選んでくれたり、自分でアイテムを選択したり、普段はなかなか手が出せないハイブランドも月額費用でレンタルできるサービスです。
アイディアを閃いた方はさぞ女心のわかる方なのかなと思いつつサービスについて自分なりに調べていくと、ある共通点に気づくことが出来ました。
【共通点】
・レンタル品なのでほとんどが中古品
・商品の保証がついている
・貸出がない場合でも月額費用が発生する

様々なシーンで月額利用サービスが盛んになっていると感じました。
ただ【レンタル】品ということは誰か借りた商品を借りるということになるため、特に衣料品に関しては抵抗のある方もいるはずです。
特にレンタル管理を行う場合には、ユーザに選んでいただくために在庫を確保したり返却したものを再度検品するなど物流に対する負荷も気になる点が多々あります。

■アパレルメーカーで初参入

そんな中、あるアパレル企業がレンタルサービスに参入することを知りました。
弊社のお隣の岡山県に本社を構える株式会社クロスカンパニーです。
2016年上場予定や個人的にも好きなショップがあり応援したい企業です。
クロスカンパニーが行うレンタルサービス【メチャカリ】は下記のような特徴があります。
【特徴】
・レンタル品はすべて新品
・レンタル品を出荷から60日間借り続けると自身のものに
・返却した商品はすべて検品後アウトレット商品としてECサイトで販売

月額利用料¥5,800でファッションアイテムを最大3点レンタルすることができます。
送料についても往復無料(返却時に1回¥500が必要)
【引用元:https://mechakari.com/】

クロスカンパニーが提供する【メチャカリ】のウリは、上記の特徴でよく注目をされていますが、物流の視点で考えた時にとても素晴らしいと感じる部分がありました。
このレンタルサービスの対象商品は自社ECの販売在庫を利用している点です。
従来、在庫の役割は販売機会を損失しないために、需要に合わせコントロールすることに重きを置いていました。
よく『在庫は動かなければ利益にならない』という言葉を耳にしておりましたが、このサービスでは販売在庫を【販促ツール】として付加価値を持たせている点がうまいと感じました。
アパレルECサイトが抱える【試着ができない】【実物イメージと違う】【素材感がわからない】等の問題を抱える消費者に対しレンタルサービスで解消。
レンタルサービスが抱える【中古品】から【新品】を提供することで、より多くのお客様に理解していただける、そしてメーカだからできる強み。
レンタル返却品はアウトレット展開をして在庫回転率の高速化。

以上のことから、今後アパレル業界でレンタルビジネスに参集する企業が増える可能性も大いにある物流の動きも、従来のものから大きく変動があるのではないかと感じました。
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著者:コニー
アパレルブランドで培った経験を活かし、 アパレル物流について日々勉強中。