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『アパレル物流の特徴』第十回 ~ミニマリストがアパレル物流を救う?それとも脅かす?~

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皆様こんにちは。
今回は【ミニマリストがアパレル物流を救う?それとも脅かす?】をテーマに記事を書きたいと思います。

数回にわたり、【大量生産・大量消費】をテーマにしたアパレル業界と物流について記事を書いてきました。

その中で、2015年下半期ごろからじわじわと話題になっていた「ミニマリスト」について興味を持っていました。
ニュースや新聞で目にしたことはありましたが、正直どんなことをしているのかよく知りませんでした。

今回の記事は、ミニマリストの特徴と価値観をもとにアパレル業界と物流に結びつけた記事を書きたいと思います。

◆ミニマリストとは?

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みなさんも最近、急に耳や目にすることが増えたと思います。
ミニマリストとは、簡単に説明すると最小限主義者のことを指し、2010年頃から海外で使われるようになり、次第に日本に広まったと言われています。
特徴として、持ち物をできるだけ減らし必要最低限のモノだけで暮らす人のことをいいます。
環境問題が進行する中で、以前から少ないモノで豊かに暮らす考え方はありました。

◆アパレル業界の明暗 タイプで分かれるミニマリストとの関係

洋服に関しても、ミニマリストのみなさんは必要最低限のアイテムしか所有しません。
その中でもタイプを大きく二つに分けることで、業界が注目すべきターゲットが絞れるのではないでしょうか?

①少数精鋭重視ミニマリスト
このタイプは、洋服のアイテムをカテゴリーごとに少数に絞り込むことで1着あたりの単価をUPさせ、シンプルでいいものを長くうまく着こなすタイプ

②少数ローコストサイクル重視ミニマリスト
①の少数精鋭重視と同様にカテゴリーごとにアイテムを絞り込むのですが、相違点として低価格な
アイテムを購入してシーズンごとに洋服を入れ替えるタイプ

上記2つの共通の特徴として、業界の致命的な問題となるのが「購入機会」が以前に比べ圧倒的に少なくなってきているという点です。
以前の記事にも載せましたが、今後ミニマリスト的な考えを持つ若者が次第に増えていくことが予測されます。

◆アパレル物流への影響

ミニマリストのニーズとして「シンプル」がキーワードになっている点に注目します。
アパレル業界は、単純に洋服を販売するだけではなく、ブランドイメージや店舗の雰囲気・シーズンごとのテーマに合わせ様々なアイテムを取り入れる
ビジュアル・マーチャンダイジングに力を入れている企業が多いと思います。

当時、私が店頭に立ち感じていたこととして、お店のトレンド・雰囲気作りの一環として定番とは異なるアイテムを並べることがありました。
販促上、業界では当たり前の手法ですが、物流の観点からみると返品や廃棄の温床になっているのではと感じていました。
今後ますます「ミニマリスト」思考の方が増えるにつれ、シンプルなアイテムを生産し物流を通じ提供することで従来の無駄なコストはカットをできると思うのですが、「アパレル業界」の視点で考えると、どのお店やブランドでもシンプルなアイテムばかり生産・消費することで、業界のおもしろみを取り払った脅威になるような気がしました。

まとめ

なぜモノが溢れるこの時代に「ミニマリスト」が増え続けているのか疑問をいだきました。
恐らくDCブランドで購入すること自体がメリットと感じた一昔前と手軽に購入できるファストファッションが主流の現在では、消費者が考える業界の「価値」に大きな変化が生まれているのではないかと感じます。
ミニマリストが増えることにより消費が今より落ち込むことが予想できアパレル物流を脅かす存在になるように感じます。

著者:コニー
アパレルブランドで培った経験を活かし、 アパレル物流について日々勉強中。