能美防災株式会社|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

能美防災株式会社

大正5年創立、自動火災報知設備など
日本の防災事業のパイオニアが選んだ
セミスクラッチ型のWMS

能美防災株式会社 外観

Company Profile

会社概要

  • 社名

    能美防災株式会社

  • 資本金

    133億2百万円

  • 証券取引所

    東証プライム

  • 売上高

    1138億円(2024年3月期予想)

  • 従業員数

    2,673名(2023年3月31日現在)

  • 本社住所

    東京都千代田区
    九段南4丁目7番3号

  • 創立

    大正5年12月

  • 事業内容

    自動火災報知設備や消火設備をはじめとする
    各種防災システムの製造販売

  • URL

    https://www.nohmi.co.jp/

吉田 勉 氏

生産技術部 三鷹事務所
吉田 勉 氏

古田 晋也 氏

三鷹工場 生産管理課
古田 晋也 氏

各種防災システムで
社会の安全に貢献

能美防災株式会社は、自動火災報知設備や消火設備などの防災設備、ビルや大空間の防災システムなど、日本の防災事業のパイオニアとして長く業界を牽引している。創立は大正5(1916)年。創業者・能美輝一氏は、前年の関東大震災による火災で数万人が命を奪われたことを目の当たりにして、火事を防ぐことの重要性を痛感。研究に打ち込み、自動火災報知器による防災事業を開始した。昭和8(1933)年には三十三間堂に、国宝としては日本初の自動火災報知器を設置、3年後の火災時に早期作動して大きな被害になるのを未然に防止するなどの成果を上げている。

創立から一世紀を越える今も、業界のリーディングカンパニーとして東京ドームなどの大型施設や国宝・重要文化財、超高層ビル、トンネル、プラント・工場、住宅、社会福祉施設など、人々の暮らしになくてはならない各種施設の安全対策に取り組む。研究・開発から企画、製造、設計、施工、メンテナンスまで一貫した責任体制で行うことできめ細かく最適な防災システムを構築している。

火災受信機「R26」

火災受信機「R26」

中・大規模建物用のアナログ式自動火災報知システムで、火災受信機の中でも能美防災の主力商品として多くのビル・施設などで採用。業界初の15型大画面は鮮明で見やすく、最大5100アドレス・20系統に拡張して、従来は分散型でしか対応できなかった大規模施設でも集中型で対応可能だ。

超高感度煙検知システム「PROTECVIEW」

超高感度煙検知システム「PROTECVIEW」

超高感度の煙検知システムで火災の予兆を検知して火災を防ぐ。エリア全体の環境空気を光学的に監視し、超高感度レベルのセンサによって電気火災の可能性がある異常をいち早く知らせる。
これまでに、金融機関や通信事業者などのサーバー室や電気室など重要機能施設に納入され、安全対策に役立っている。

移転新築に伴う
作業効率化・改善

弊社のインターストックを
導入された経緯は?

以前は主に製造ラインの改善を進めていましたが、物流や倉庫といった間接部門まで改善の幅を広げたいと考えてました。当時からオンザリンクスさんのことは調べていて、資料なども拝見して検討している最中に、移転新設する三鷹工場に異動になりました。新工場を建てるタイミングで製品倉庫システムを新しくすることになり、そこにマッチしたという形です。

物流を改善をしたいと思った理由は?

製造現場などの直接部所の改善は目に見えて分かりやすいのですが、物流のような間接部所はなかなか手を付けにくいと感じていました。そのため、工場を新設することを機に物流や人の動線などを改善するチャンスだと思いました。

以前は業務委託先で在庫管理・ロケーション管理を行っていたため、管理面で見えない部分が多々ありました。
そこで今回、工場を移転新築して倉庫を工場内に取り込むという機会に、自社の倉庫管理システム(WMS)を導入して在庫の見える化を実施する決定をしました。

現場からの提案で予算が
すぐに承認されましたか?

課題の解決方法や費用対効果などを検証して承認頂きました。

製造ラインの改善の際には、
どのような目標がありましたか?

コストダウンに対する課題の解決が多いです。
当工場は物件毎のオーダーメード仕様の製品など少量多品種の製品が多く手間がかかり相応の工数を要しますが、自動化などの合理化により生産効率を上げることで工数を低減する必要があります。また、部品の置き方や供給の仕方など「段取りコスト」の低減も行いますが、突き詰めていくと製造にたどり着く前の物流・倉庫の改善に繋がっていきます。

倉庫や物流の改善でKPIのような
目標がありますか?

KPIとしてはコストや品質を重視してます。
今回採用したのは製品倉庫システムなので、出荷予定情報に対して日々確実に100%出荷を行う事が必須条件です。出荷を適切に実施するには在庫品の場所を素早くロケーションを特定して誤りなく発送する必要があるため、インターストックを採用したことでそれらが解決され非常に良好になりました。日常の業務も滞りなく行われていて現場のユーザーからも大変好評です。

導入の前後でどのような変化が
ありましたか?

外部に倉庫があった頃は業務委託しており、必要な情報は都度確認依頼してましたが、WMSを導入したことによりロケーションや出荷情報等がいつでも確認可能となりました。データ取得が容易になったことにより、業務分析や改善を進め、生産効率を向上させます。

導入前は属人的な作業が多くて大変でしたが、今はシステムを見れば状態が分かるため改善されました。

インターストックを選ばれた理由は?

弊社の要求仕様を実現できると感じたことがインターストックを選んだ決め手です。
仕様を理解して頂き、さらにシステムに落とし込むという作業は非常に難しかったと思いますが、実際に現場で業務の内容を説明し、しっかりとご理解して頂きました。時間はかかりましたが、そのあたりのコミュニケーションをしっかり取れたことが良かったと思います。

運用がかなり特殊だったので、言葉の定義を正しく理解していないと、吉田さんや古田さんが想定しているものと別なものができてしまうので、言葉の定義を丁寧に確認しながら固めていきました。
まず言葉の定義を理解し、しっかりとコミュニケーションがとれたのが良かったかと思います。

自社以外の一般的な倉庫システムについての知見がなかったので、御社に相談をしながら倉庫の運用方法を固めていきました。既存作業の一般的なものと特殊なものを分類していく中で、極力標準的な倉庫運用を行えるように特殊な仕様を最小化出来たことが大きかったのかなと思います。

特殊仕様というのは例えば
どのようなものでしょうか?

分割入庫・分割出庫といって、システム上は「数量:1」なのですが、その一部分を先に出荷するというようなことがあるのです。製品をご覧いただければお分かりになると思いますが、大きな制御盤があり、その下に「ベース」という部材があります。そのベースだけを先に出庫するといった運用です。入庫するときはベースと制御盤を合わせて数量は「1」なんですが、ベースと制御盤が別のロケーションに保管されることもあり、そこが一番苦労した点ですね。

インターストックを含め、弊社の製品に今後期待されることはございますか。

本稼働後に現場から軽微な改善要望などがありましたが、その都度柔軟に対応していただいています。今後新たな課題が出ると思いますが継続して対応していただければありがたいですね。

今回導入するに当たって断念した内容があります。システムを入れ替えるタイミングでのペーパーレス化です。それに対応できる倉庫システムも検討したのですが、当時は対応しているシステムや採用事例が少ないという情勢であったことから、時期尚早と考え諦めた経緯があります。今後システムがバージョンアップするタイミングで、機能を具備してもらえるとコストダウンや環境負荷低減にもなりますので、ぜひとも進めていただきたいと思います。
それから、現状はハンディターミナルがWindowsベースのOSのみの対応なので、最近主流になりつつあるAndroid版にも対応出来るようにバージョンアップをお願いしたいです。Android対応になると機器選定の幅が広がるため、例えば指にはめて使用出来る機器などにターミナルを変えることで両手が自由に使えて作業性が向上するなど、改善への可能性が広がると思います。

最新バージョンでは、ペーパーレス化に対応済みです。またAndroidへの対応も急ピッチで進めておりまして、皆様のご要望に応えできるよう1日も早く対応したいと思います。最後に御社の今後の物流改善やビジネス展望をお聞かせください。

要件定義の段階では製品倉庫と部品倉庫をまとめて開発することを考えていましたが、御社からの提案で製品倉庫で運用してシステムに慣れてから部品倉庫に適用範囲を広げた方がいいと堅実なアドバイスをいただき、今回はまず製品倉庫のシステムを導入しました。
稼働後には関係者でシステムの動きなどを確認しましたが評判も良く、部品倉庫システムへの展開を進めてます。将来的には倉庫が増えても場所が変わってもシステムが統一されれば同じやり方で仕事ができますし、様々な無駄がなくなり業務効率が改善されると思います。

製品に貼られた現品票のQRをWMSで登録 製品に貼られた現品票のQRをWMSで登録

御社は防災事業のパイオニアとして研究開発から設計、製造、販売、施工、メンテナンスまでの一貫で行われており、他社にはない強みと思います。「中長期ビジョン2028 ~期待の先をカタチに~」が現在2年目を迎えていますが、どのような取り組みを現場では具体的に進められているでしょうか?
未来に向けた成長投資を積極的に進められるということで、いくつか挙げられていますが、そのなかのデジタルトランスフォーメーションなど、教えていただけないでしょうか?

デジタルトランスフォーメーションについては、RPA、ペーパーレス化等を取り入れるなど業務の効率化を進めています。従来は改善というと現場目線での話が多かったと思いますが、今は間接部門の効率化もかなり進んでいると感じます。様々な手法を模索して知見を積み重ねている段階ですが、良い方向に進んでいると思っています。

デジタルトランスフォーメーションが投資対象ではあるけれど、様々な現場で考えながら進めているということですね。

営業・施工などの現場では会社に戻らなくても現場や現場近くで事務処理等が出来るような働き方に変わっていると聞いています。
今まで効率が悪かったところをICT等を使って効率化しようという流れですが、三鷹工場でもトライアンドエラーを繰り返しながら模索しているところです。

製品倉庫で出荷を待つ製品群 製品倉庫で出荷を待つ製品群

インターストックの導入はやって良かったことですかね(笑)

よかったです!!(笑)。他部所から「新しいシステム導入したんだって?」と見に来てくれたことがありますよ。

他部所でも様々なWMSを調査していると聞いてますが、三鷹工場でインターストックを入れてうまくいっているので、「じゃあインターストックも検討しよう」という流れになっています。

吉田様は以前からインターストックに関心を持って調べておられたそうですが、ホームページで見ていただいたのでしょうか。

そうですね。御社のホームページは充実していて、更新も頻繁です。倉庫システムの会社のホームページって結構わかりにくかったりするのですが、御社のページは表現の仕方とか説明が明確で突っ込んだ内容が多く、現場目線でとてもわかりやすいです。

お褒めいただき、ありがとうございます。