EC業界のロジスティクス事情 ~ロジスティクス活動の中で構築する顧客サービス(続き)~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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EC業界のロジスティクス事情 ~ロジスティクス活動の中で構築する顧客サービス(続き)~

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画像素材:PIXTA

 

*** 業界トピックス ***

 

Amazonという巨大なハリケーンが国内のEC市場を席巻しています。

つい先日、Amazonは国内の日用品や食品メーカーに対して、売上金の1~5%を「協力金」として支払うように求めているといったニュースが話題になりました。

配送料の値上げ、巨大な販売システムの運用費用がAmazonの経営負担になっていることが主な要因のようです。

平成28年度の経済産業省の電子商取引に関する市場調査では、日本国内BtoCのEC市場がついに15兆円を突破し、EC化比率は5.4%に上昇したと報告されています。
 

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※出展:経済産業省「平成28年度電子商取引に関する市場調査」報告書

 

 

日本同様、米国のEC化比率も右肩上がりで伸びており、昨年には日本のおよそ2倍の10%まで成長しました。
その成長の中心はAmazonであり、米国のEC市場で43%という驚異的なシェアを占めています。

日本でも、ネットで買い物をする際にはグーグルやヤフーを経由してAmazonや楽天で商品を検索する人が増えています。
かくいう筆者も書籍の購入だけではなく、日用品もAmazonのサイトから検索することが増えました。
つい先日も花粉症対策の為、マスクをまとめ買いしたばかりです。

こうした動きを見て、これまではAmazonと正面から対抗する姿勢を見せていた大手メーカーなども、ECでの販路を拡大する為の強力な販売チャネルの一つとして、Amazonを活用する姿勢を見せ始めています。
米国ではあのNIKEもAmazonで直販する方針を打ち出しました。

Amazonには出来ないサービスで対抗するのか、それともAmazonを積極的に活用していくのか、EC事業者には今、その決断が迫られています。

 

さて、今回は前回に続いてECのロジスティクス活動の中でいかにして顧客サービスを構築していくのかについて考察をします。
少しでも皆様のロジスティクス活動の負担が軽減され、経営効率の改善のお役に立てれば幸いです。

 

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*** 顧客がいつでも受け取れる仕組み ***

 

自社のロジスティクス戦略を構築する際に、宅配キャリアに荷物を渡すところで設計が終わってしまうEC事業者が多いようです。
その先で顧客がどのようにして商品を受け取るのかを緻密に計算してサービス設計をすることが大切です。

中華人民大学の構内では、JD.comが開発した宅配用の無人カートが走り回り、学生が購入した商品を直接受け取っています。

こうしたラストワンマイルの効率化やサービスの提供を運送業者に任せていた時代は終わりを迎えています。

消費者が配送日や配送時間をいつでも確認できる仕組みが必要になってきます。
また宅配キャリアのドライバーとコンタクトし、事前に配送先を職場や近くのコンビニに変更できるようなサービスも必要です。

現在では再配達の問題を解決する為に、宅配ロッカーの設置や、コンビニ受け取りなどのサービスも始まっています。

こうした多様化する受取ニーズにフレキシブルに対応する能力が今後はEC事業者に求められてきます。
システム面、運用面で後手にならないよう、世の中の受取ニーズとサービスをつぶさに観察し、仕組みを構築しましょう。

また消耗品や日用品のリピート購買するような商品の場合は、まとめ買いを促すことで、配達を効率化することも可能です。
まとめ買いを促進することで、配送件数を抑制し、物流の効率化が可能になります。

EC業界全体の効率化につながる構想でビジネスを展開していくことが求められるでしょう。

 

*** ダンボールのユーザビリティ向上 ***

 

顧客に届くダンボールも工夫一つでショップのブランド向上に一役買ってくれます。
顧客に対して”エコ”で”開梱しやすい”といった印象を与えることも可能です。

最近ではさすがに見かけなくなりましたが、昔はリサイクルダンボールでビニールテープでぐるぐる巻きにされた梱包で届くこともありました。
“エコ”ではあるかもしれませんが、さすがにこれはブランディングとしては失敗です。

最近ではテープレスダンボールなどもあります。配送伝票をダンボールの中央に貼り付けることで、テープを不要にしています。
また箱の上部にミシン目がいれてあり、開梱しやすい工夫もされています。(下図)

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■エコ、作業効率UP、開けやすさを追求したマガシークのテープレスダンボール

 

*** 顧客視点で配送キャリアを選択 ***

 

宅配運賃の値上げが続く中、EC事業者は新たな宅配キャリアとの契約や、新たな宅配網の構築に動いています。
EC事業者が宅配キャリアを選択する条件としては、「料金」、「品質」、「時間帯指定」、「重量制限」、「配送リードタイム」などです。

宅配キャリアの料金やサービス内容は各社異なり、それぞれに特徴があります。
こうした各宅配キャリアの特徴と顧客ニーズを上手くマッチさせることで、物流効率を向上させることができます。

顧客のニーズが品質重視か、コスト重視か、リードタイム重視かを分析し、最適な宅配キャリアをマッチングすることで、顧客の満足度向上にもつながるのです。

以前は全国一律○○円というサービスを始めた宅配キャリアもあり、宅配キャリアの運賃マトリクスはシンプルになっていくだろうと予想する専門家もいましたが、筆者はその逆になるだろうと予測しています。

いくら情報サービスが発達したといっても、結局ドライバーがトラックに乗って荷物を運ぶ以上、物理的なコストはサイズと距離によって大きく異なります。
それを一律にしてしまえば、どこかにその負担が大きくのしかかってしまうことになります。

宅配キャリアの運賃は今後はより細かく緻密に設定され、利用者からしてみるとどんどん複雑化して分かりにくくなると予想しています。※携帯キャリアの料金のように・・・(苦笑)

但し、全国一律○○円という時代が来ないのかと言えば、そうではありません。いずれそうなるのではないでしょうか。

人の代わりにロボットが荷物をを運ぶような時代、もしくはAmazonのような商品を販売する小売側が自前で全国に配達網を設けるケースが当たり前になってしまえば、運賃一律が必然の流れであり、やがて運賃無料化の時代が訪れるでしょう。

 

※※最後まで読んで頂いた方に耳寄りなお知らせ※※

 

今後は宅配キャリアの運賃マトリクスはより複雑化されることが予想されます。
また、これまでは1~2社程度の宅配キャリアとしか契約をしていなかったEC事業者も複数の宅配キャリアを上手に使い分ける時代がやってきます。
配車レコメンドシステム「輸快通快(ゆかいつうかい)」は運賃値上げ時代を勝ち抜くために革新的な物流効率化の方法をご提案します。

 
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