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自社の物流を変えよう!『業界・業種別』物流改善のヒントとノウハウ ~運送業編①~

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画像素材:Rawpixel / PIXTA

 

*** 物流の主役はトラック ***

 

かつて、企業の物流は自社のトラックで行うというのが一般的でした。
工場内に倉庫があり、そこから各地の支店や顧客に自社の社員が倉庫作業を行い、自社の車両で運んでいたのです。

しかし、現在では多くの企業が倉庫作業・在庫保管・輸配送を物流業者に任せるようになり、物流アウトソーシングは一般的となりました。
全日本トラック協会が作成した「輸送種別の輸送トン数推移グラフ」を見てもその傾向は顕著にあらわれています。

 

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(全日本トラック協会 『日本のトラック輸送産業現状と課題 2018』)

 

物流は、産業活動や私たちの生活を支える重要な社会インフラです。
またその認識も近年高まってきています。
そんな物流の主役はトラックです。国内のトラック輸送の市場規模は約15兆円と言われ、国内輸送の90%以上をトラックが担っているのです。
トラックによる輸送は生活と経済のライフラインとして、産業活動や国民生活になくてはならない存在となっています。

 

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(全日本トラック協会 『日本のトラック輸送産業現状と課題 2018』)

 

*** 物流危機は構造的な問題 ***

 

トラックがこれだけ多く利用される主な理由としては、何と言ってもドア・ツー・ドアの高い利便性です。
また24時間365日輸送可能なフレキシブルなサービスを得意とし、スピードと柔軟さが求められる我が国の輸送ニーズにとてもマッチしているのです。

しかし、こうした便利さがトラック依存の輸送構造を作り上げてしまい、いまではドライバー不足が原因で物流危機が叫ばれています。
ドライバー不足は一過性の問題ではなく、構造的な問題といえます。
最近ではモーダルシフトも非常に注目されていますが、とてもそれだけで解決できる問題ではありません。

そこで求められるのはやはり、物流再編なのです。物流そのものの抜本的な見直しが求められているのです。

いかにして効率よく運ぶか、いかにして積載効率を向上させるか、いかにして無駄な輸送を無くすのか、これまで散々議論されてきたこうしたクエッションを、荷主と一緒になって答えを探していく必要に迫られています。

 

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契約している荷主企業が、必要最小限の輸送により輸送量を減らすことが出来れば、必然的に自社トラックの輸送量は減ります。
これは物流事業者からすると困った話になるかもしれませんが、このトレードオフの関係が無駄な物流が減らない根本要因です。
物流のプロであるはずの物流業者が本気になって荷主企業の物流改善に取り組めないのは当然と言えば当然かもしれません。

しかし、荷主企業は物流のプロである皆さんに対して、そこを一番期待されています。
ということは、そこが一番の存在価値であるということです。
単に在庫を保管する為の倉庫スペースを提供し、荷物を指定された場所から場所へ運ぶだけの仕事を日々行っていたのでは、抜本的な物流の見直しは進みません。
やはり、物流のプロフェッショナルである物流業者と荷主企業が一緒になって、同じビジョンを描かなければ、改革は進まないのです。

実はここにこれからの物流業者の生き残るヒントが隠されているのです。
『荷主企業のトラック輸送をいかにして減らすのか。』という視点です。
これはつまり、『自分達の仕事をいかにして減らすのか。』ということになりますので、難しい視点であり、難しい決断であることはわかります。

通常はビジネスというのはいかに自分達の仕事、サービスのニーズを増やすかに頭を使います。
しかし、物流はこの逆をやるのです。
そうすれば、荷主は喜びます。
何故ならそうした提案をしてくれる物流業者にこれまで出会ったことがないからです。
短期的にはその荷主に対して売上は下がるかもしれませんが、中長期的にマーケティングとしては大きな成功を収めることが出来るでしょう。

また荷主企業との関係も変化が生じます。
ただ荷物を運ぶだけのこれまでは、荷主企業の物流業者に対する対応はそっけないものでした。
仕事を出してやっているという態度を感じることも多かったと思います。
しかし、それは荷主企業が悪いのではなく、自社に責任があるのです。

自分達の仕事を減らすことを考えて、荷主に提案するこのパラダイムシフトが今後の勝ち組の生き残る物流企業の条件と言えます。
筆者が物流会社さんにこのような話をしてみても、苦笑いで空かされることが殆どですが、あと5年もすればこうした企業が台頭してきて、勝ち組に回る日がやってくると確信しています。
何故ならそれが荷主の為、社会の為になるからです。

自分達の売上を増やすことに躍起になる短期的な視点ではなく、社会的使命に立った長期的な視点を持って、荷主や社会に貢献できる企業が生き残り、選ばれる時代です。

最近では、荷主企業も物流を沢山勉強してレベルが上がってきています。
これまでのような視点でビジネスをしていては、荷主はすぐに理不尽な請求や無駄な輸送に気付き始めるでしょう。
「なんでこんな運び方をするのか」、「どうしてこの運賃なのか」と不満が現れてきます。

 

*** 物流業の在り方自体が根本的に問われていく ***

 

最近これまでのような営業活動では、荷主が反応しなくなったと、お感じではないでしょうか?

物流の重要性に気付いた荷主企業は抜本的な物流改革に乗り出しており、長い付き合いのあった物流業者であっても、突如契約を打ち切られたりしています。
物流効率化・品質の向上・コスト削減・顧客ニーズへの対応など、狙いは様々ですが、物流に対する意識が根本から変わるような提案を物流業者に求め始めているという何よりの証拠です。

「自社の物流のどこに問題があるのか、それをまずは明確化して欲しい」

「自社にとって最適な物流コストの基準を知りたい」

「最新テクノロジーを活用した最先端の物流を提案してほしい」

「物流オペレーションを根本的に見直したい」

「モーダルシフトなどを考慮したダイナミックな物流改革を実施したい」

自社の営業担当者に確認してみて下さい。
こうした質問を営業が受けることが増えているはずです。
荷主の高まるニーズに物流のプロフェッショナルであるはずの物流業者が具体的な提案が出来ずに、たじろいでいるという光景が全国で増えています。

荷主企業が物流に関心を持ち、勉強をしているからなのですが、こうした傾向は見方を変えればチャンスです。
物流会社も荷主も一緒になって変わって成長する最大のチャンスと言えるでしょう。

 

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これからの物流業者には配送拠点を集約したり、輸配送手段を変更したり、企業の物流を抜本的に改革する提案力が欠かせません。
こうした物流再編の提案能力を持つ物流会社はまだまだ少ないのが実状です。
荷主企業に対して物流再編というダイナミックな取り組みを提案出来る企業が生き残ります。
さっそく今日から下記の手順で自社を変えていきましょう。
下記5つのフェーズで具体的に何をするかをアクションプランにして、計画的に実行しましょう。

 

1.経営者自ら視点を変える

2.自社の組織に浸透させる

3.人材を育成する

4.荷主企業へ訪問して、物流再編提案をする

5.定期的にディスカッションする

 

*** 物流のプロ目線で荷主にノーと言える企業が強い ***

 

こんな事例があります。

ある製造業のA社では、生産設備を増強する為に工場内にあった製品倉庫を撤廃して、生産ラインを増築しました。
これまで工場内の製品倉庫に保管されていた製品在庫は、各地の物流拠点に輸送され、そこで在庫されることになったのです。

物流を無視して生産の都合が優先されたのです。
その為、需要にマッチしない在庫が各拠点に分散されて送り込まれることになり、そこで在庫された製品が他の拠点に横持ちされ、ムダな輸送が増えてしまいました。

こうしたケースでは、物流会社からしてみると、自社倉庫の荷物が増え、物流も増える為、良い話しかもしれません。
はたして、こうした荷主企業の誤った戦略に対して、物流視点ではっきりとノーと言える企業がどれだけいるでしょうか。

 

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参考文献:
全日本トラック協会 『日本のトラック輸送産業現状と課題 2018』
『2017年度物流コスト調査報告書【速報版】』日本ロジスティクスシステム協会

 

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