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2019年04月16日配信分
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企業競争力を高めるロジスティクスイノベーション ~三菱食品の改革事例②~

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画像素材: interstid / PIXTA

 

*** 歴史に学ぶ取引コストの重要性 ***

 

第八代将軍徳川吉宗のブレーンであった儒学者の荻生徂徠(おぎゅうそらい)は、武士の業務に関して帳簿やマニュアルが整備されていないことを問題視しました。

「何あれの役にも留帳これ無く。これ宜しからざる事なり。」
※意訳:あらゆる役職で帳簿やマニュアルが整備されていないのは、よろしくない。

武士の業務において、知識や情報がシェアされていないのは、無駄な取引コストが発生して不効率だと荻生徂徠は説いたのです。

さらにこう続けています。

「又新役に器量の者ありても、独りたちて思ひ入れ御奉公をすることならず。これ留帳なき弊なり。留帳あらば、新役にても、
その帳面にて役儀の取り扱ひ相知るるゆえ、御役仰せ付けられたる明日よりも、役儀勤まるべし。」

※意訳:有能な人が新しく役に就いても、ひとりで仕事ができるわけではない。帳簿やマニュアルがなければ弊害が起きる。
それさえあれば、新らたに役に就いた者でも業務内容をすぐに把握でき、翌日から業務を遂行することができる。

現代でいえば、IT技術の発達によって情報が入手しやすくなっているにも関わらず、その情報が組織内で有効活用されず、無駄な取引コストが発生しています。
物流現場は無駄な取引コストの宝庫です。荷主企業と物流業者との情報共有はまだまだ遅れており、多大な取引コストが発生してるのが実情です。

歴史からは、人間や社会が過去からの逸脱によって未来を切り拓いてきたことを示す因果関係を体系的に学ぶことが出来ます。
数々の史実からその因果関係の根拠を知ることで現代の私たちのビジネスや日常生活のヒントが見えてきます。

古今、洋の東西を問わずビジネスや日常生活では常に様々な問題や課題が生じます。
売上不振、業務の不効率、組織の対立、集団行動における不調和、複雑な人間関係等々・・。
特に会社を経営されている方や組織のリーダー的な立場の方は自らの判断や決断が組織全体の成果に大きく関わるため、悩みは尽きないと思います。
そのような時、歴史には課題解決のヒントが山のように埋まっています。
歴史はビジネス書によくあるHow Toではありません。
そのため、壮大な物語の中から独自の視点で読み解くことが出来るので、自分の思考力、想像力を鍛えつつ、ヒントを探ることが出来ます。

当時の人々がなぜそのような状態を選択したのか、どのような面でどんな決断をし、その結果どうなったのか。
史実を構成する様々な意思決定や行動と私たちの現状を比較・対象させながらヒントを得ることができる有益な情報源なのです。

 

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*** 三菱食品の新規技術導入に関する将来展望 ***

 

今回も「ロジスティクス関西大会2019」のプレゼンテーションの中から、三菱食品株式会社の牧井 佑二氏(ロジスティクス本部統括グループ ソリューションユニットリーダー)による「持続可能な食品物流の実現に向けた三菱食品の『より良い』ロジスティクス戦略」の講演内容についてご紹介したいと思います。

三菱食品では、2017年度から3つのステップで新規技術導入のロジスティクス将来戦略を描いています。(下図)

 

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第一ステップでは、新設のセンターにシャトルシステムやオリコン段積みロボット等を設置し、省人化のための実証実験を2017年度から行っています。
※シャトルシステム・・・高速で順序出庫などを行う次世代の高能力荷揃えシステム

第二ステップでは第一ステップで実証実験された設備の導入拡大、水平展開を実施し、人とシステムの融合によるパフォーマンスの向上を図ります。
また物流端末を専用端末からスマフォやタブレット等のマルチデバイスに対応させることで、利用シーンによって自由に使い分けることも検討しています。

第三ステップでは、物流のシェアリングに向けた標準化を図るため、物流版UberやSmartCard、RFID等の新技術の採用を視野に入れています。
新規技術の導入には中長期スパンでの計画が不可欠であると牧井氏が語気を強めて会場に語りかけたのが印象的でした。

産業構造から見た物流分野の方向性は労働集約型から装置産業型に変わろうとしています。
三菱食品では今後、積極的にマテハンを導入することで、物流業務を省人化し、機動性を高め、スマートで作業者に優しい物流環境の構築を目指しています。
今後の雇用リスクや社会環境変化を考えるとマテハンの積極的な導入は必須であると考えています。
ただし、闇雲にマテハンを導入するのではなく、各物流センター毎の顧客案件で発生する個別ニーズに適した導入用途の見極めが重要になると言います。

また現在では技術革新により様々な分野で情報プラットフォームが誕生しています。
原料調達から最終消費者までを繋ぐバリューチェーンの連携が新たな流通価値創造になりつつあります。
企業、業界の垣根を超えた情報共有が可能なプラットフォームの構築が急務です。

 

*** 製・配・販三層連携、協業による改善事例 ***

 

物流領域の課題解決はすでに個社単位での部分最適では限界に達しているというのが同社の見方です。
製・配・販及び同業他社も巻き込み、各社の垣根を超えて効率性の追求をしていかなければ業界全体としての持続的成長が不可能だということです。
製・配・販それぞれが”三方より良し”を積み上げる形でサプライチェーンを再設計していかなければならない時が来ています。

三菱食品では、従来より各メーカー単位での定曜日発注を実施していました。
この方法は、メーカー側の個社単位で見ると納品頻度を削減でき、商品ロットも拡大することが出来ます。
しかし、共同物流化が進行する現在においては、従来のメーカー個社単位での集約では、物量波動の拡大が発生し逆に非効率となっていました。(下図参照)

 

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そこで同社では製・配が連携して共同物流時代の発注コントロールシステムを開発しました。
個社別ではなく、複数のメーカーの共同物流グループ単位で物量を分析し、配送車両の積載上限を意識した納品曜日に組み直し、平準化を実現したのです。
共配効果を最大限引き出すべく、車両詰合わせまで本システムでコントロールできる事を実証したのです。

 

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こうした取り組みは三菱食品1社での取り組みでは不可能です。
メーカーと卸が連携して車両単位の物量を平準化することで出荷波動を抑え、増便を無くすことができたのです。

次回は製・配が連携した入荷効率化の取組事例をご紹介しますのでご期待下さい。

 

*** 最後まで読んで頂いた方にお知らせ ***

 

荻生徂徠(おぎゅうそらい)は、武士の業務に関して知識や情報を共有することの大切さを説きました。
その進言を受けた徳川吉宗は取引コストと呼ばれる非効率性を削減することによって組織の効率化を達成し、享保の改革を成功させました。
取引コストとは、企業間の取引や組織内のやりとりで生じるコストのことを言います。

WMSパッケージINTER-STOCKではクラウドを活用して入出荷情報の共有、在庫情報のリアルタイム共有を支援します。
例えば客注品が入荷されると、すぐに担当営業にGmaiが配信されます。
営業が随時倉庫担当者に電話して入荷状況を確認する取引コストがカットされます。
荷主企業や仕入先とクラウド上で入出荷情報、在庫情報を共有することで、入出荷の確認、在庫の確認による無駄な取引コストをカットできます。
下記より詳細をご確認頂けます。是非この機会にご検討下さい。

 

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