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2019年04月10日配信分
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企業競争力を高めるロジスティクスイノベーション ~三菱食品の改革事例①~

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画像素材: Jin / PIXTA

 

*** 令和という新しい時代に向けて ***

 

一人の投資家が、ギリシアの小さな島にいる腕利きで有名な漁師に会いに行きました。
漁師は毎朝目が覚めたら漁に出かけます。
網を持って魚を捕るのが、子供の頃から何よりも大好きでした。漁が終わって家に帰ると愛する家族が待っていました。
子供たちと遊んでお腹が空いたら庭で家族と食卓を囲んで、大好きなお酒を妻と飲むのが日課でした。

投資家は漁師に言いました。
「そんな時間の使い方はもったいない。あなたの腕なら、もっと生産性を上げて長い時間漁をするべきだ。
私と手を組めばもっと魚を売って大きな漁船を買うことだって出来る。それで大きな工場を建てて、魚を世界中に輸出するんだ。」

漁師は投資家に聞きました。
「そうなるまでにどれくらいの時間がかかりますか?」

投資家「あなたと私が手を組めば、20年もかからないだろう。」

漁師「それからどうなりますか?」

投資家「今度は株を売却して、豊かになればもう働かなくたっていいんだ。」

漁師「それからどうなりますか?」

投資家「引退して、海の近くに住んで、昼までゆっくり寝て、日中は釣りをしたり、子供と遊んだりして、疲れたら奥さんと昼寝
でもして、夜になったら友達と一杯やって歌って過ごすんだ。最高だろ?」

漁師「じゃぁ、今の私は最高ですね」

 

以前、知り合いの方に紹介してもらった本にこんな話が書いてあり、示唆に富む面白い話だと思い興味を持ちました。
我が国でも「働き方改革」が叫ばれて久しいですが、欧米諸国では、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が以前からあり、日本よりも進んでいます。

国が進める「働き方改革」について、周りから聞こえてくる単語は「有休取得義務化」「労働時間短縮」「生産性向上」等・・・。
本当の意味で人が幸せに生きる為には、大好きで働き甲斐のある仕事があって、プライベートの時間も充実していることではないかと思います。
たとえ年間休日が150日あっても、1日の労働時間が6時間であっても、自分の仕事が嫌いでやりがいを見出せなければ、国が期待するような効果は出ないのではないでしょうか。

成長一辺倒の経済が終わりを迎え、令和という新しい時代を迎えようとしている私たちに、これまでと少し違ったメンタリティの必要性をこの漁師が教えてくれた気がします。

 

共通バナー(ロジスティクス戦略)

 

*** 三菱食品のロジスティクスイノベーション変遷 ***

 

今回は「ロジスティクス関西大会2019」のプレゼンテーションの中から、三菱食品株式会社の牧井 佑二氏(ロジスティクス本部統括グループ ソリューションユニットリーダー)による「持続可能な食品物流の実現に向けた三菱食品の『より良い』ロジスティクス戦略」の講演内容についてご紹介したいと思います。

三菱食品株式会社は1925年に設立され、現在は資本金106億円、売上高は2兆5,134億円、従業員数4,427名の国内トップクラスの食品卸業者です。
国内外の加工食品・低温食品・酒類及び菓子の卸売を主な事業内容とし、物流事業及びその他関連サービスの事業を展開しています。

三菱食品では、これまでに国内景気動向や、雇用情勢、市場ニーズを的確に捉えて、常に自社のロジスティクスを変革してきました。
以下が同社の3つの大きな改革です。

 

第一期:高負荷価値物流

第二期:高精度物流

第三期:高度情報活用物流

 

1990年~1994年はバブルが崩壊し、低成長時代へ突入しました。
食品業界でも低価格化競争が本格化し、販売チャネルが多様化、価格破壊が起きた時代です。
この時代に同社では、全国に汎用小分けセンターを建設し、多品種・小分けの物流機能を顧客に提供することで、市場に評価されました。
これが第一期の高付加価値物流による改革です。(ちなみにこの時代、小分け対応を拒んだ卸売業者は市場から撤退していきました。)

続いて1995年~1999年は、インターネット環境が本格化し、企業間のシステムが確立された時代です。
カテゴリー共配への需要が増え、物流センターの戦略拠点化が進みました。
こうした動向に対して同社では、得意先毎の機能に特化した専用DCを建設しました。
特定顧客特化型のセンターを構築することにより、小売企業へのサービスレベルを強化し、高精度な物流を市場に提供したのです。
これが第二期の高精度物流による改革です。

最後に2000年~2005年は、日本国内の総人口が減少し、家族消費から個人消費へライフスタイルの変化が起きた時代です。
コンビニエンスストアが急成長し、ディスカウントストアやドラッグストア等の新業態が生まれ、デフレ環境下での競争が激化しました。

この時期、同社では商物を切り離し、物流システムの高度化を図りました。
卸売業不要論が叫ばれる中、ロジスティクスを強化し、情報で武装化することで、生き残りを懸けた改革を実施したのです。
これが第三期:高度情報活用物流による改革です。

 

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*** 三菱食品が目指すロジスティクス将来戦略とは ***

 

三菱食品では「より良い」ロジスティクス戦略に向けて、“個”-Operationから”Co”-Operation自社のロジスティクスを変えようとしています。
現状の物流環境課題に対して、物流に求める機能と方向性を明確に定めています。

労働人口の減少により物流人材の確保が困難になっているのは、同社も同じです。
委託会社からも値上げの要請が上がっています。
人に依存しない物流を実現することが喫緊の課題となってるため、自働化による省人化が求められます。

また高齢者や女性、外国人労働者の就労率が高まっているため、人にやさしい労働環境が求められます。
搬送機や昇降機等、作業負荷軽減が期待できる分野への投資が必要です。
省力化、単純化を実現しながら、安全面や労働面での環境改善も急務です。

さらには、近年の物流ニーズの高まりにより、都市部の物流不動産が枯渇しています。
そのため、既存スペースを最大限に有効活用するための機能も有していかなければなりません。

 

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これらの改革は”個”の力だけではもはや限界が来ています。
“Co”による物流機能の再設計が急務です。
次回は同社の最先端技術の活用事例等、ロジスティクス将来戦略について詳細をご紹介しますのでご期待ください。

 

*** 最後まで読んで頂いた方にお知らせ ***

 

今回ご紹介した三菱食品は卸売業に属しますが、卸売業界では、関連する各プレイヤーにいくつかの大きな変化が起きています。
得意先となる小売業では、自社運営型の通貨型物流センターの構築が進んでいます。
競合者であり、協業者でもある3PL業者は商物分離、預託在庫化による顧客獲得を狙っています。
中間に位置する卸売業者は、アウトソーシング型のセンターを構築することで卸仕入集中型に特化していく必要があるでしょう。
そのため、今後仮にマンパワー回帰が起きたとしても、機械化、省力化は不可欠です。

INTER-STOCKは各社の基幹システムとの高い連携性能、テマハンとの親和性を強みとしています。
またRFIDやOCR(文字認識)といった最新自動認識技術も積極的に応用することで、人に依存しない、省力化、単純化のロジスティクスを企業に提供しています。是非この機会にご検討ください。

 

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