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進撃の物流戦略!柱は「コスト削減」から「サステナビリティ」へ!

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画像素材: metamorworks / PIXTA

 

<目次>
1.変化を嫌う人々
2.宅配便世界最大手のUPSが“運ばない”物流に挑戦
3.進まない日本のサプライチェーン・デジタル改革
4.最後に
 

●1.変化を嫌う人々

 

何世代にもわたって、原因不明の病気がもとで早死している南アフリカの原住民がいます。
この種族を研究していた科学者が、ついに病気の原因を突き止めました。
それは日干し粘土で作られた家の壁に住みつく毒虫に刺されることでした。
ところが、原因を知った原住民は、祖先たちと同じような生活を変えようとせず、住む場所も変えず、家を立て直すこともなかったといいます。

彼らは将来のためには大幅な改革が必要だということを理解しながら、生活を変えることを歓迎しなかったのです。

幾多の障害を乗り越え、積極的に改革を行うことによって、人も企業も成長出来ます。
しかし、それを知りながらも、障害や課題を自己改革のチャンスとして捉え、積極的に変化させていこうとする人は多くありません。

 

●2.宅配便世界最大手のUPSが“運ばない”物流に挑戦

 

デジタル化によって、ものづくりやサプライチェーンが大きく変化しようとしています。

米国の宅配便世界最大手のUPSは、2013年8月から3Dプリント代行サービスを開始しています。
3Dプリンタを利用して部品を製造し、即日配送するサービスです。

 

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その後のUPSの3Dプリント事業の動向が気になり、色々調べてみると、UPSを中心とするシリーズB資金でシカゴに本社のある先進的なデジタル製造会社であるFastRadius(ファストラジアス)に50億円を出資していました。

2015年に設立されたFastRadiusは、3Dプリントオンデマンドサービスを24時間受付するビジネスを展開しています。
積層造形・CNC加工・射出成形・ウレタンキャスティングといった製造能力を要し、顧客が思い描く必要な部品をスピーディに提供しており、昨年の世界経済フォーラム(WEF)では、世界中の1,000メーカーの中から世界の9つの工場の1つに選ばれました。

FastRadiusのCOOであるPat McCusker氏は、当時のインタビューで次のように述べています。

「当社のエンジニアは、顧客と協力して潜在的なアプリケーションを特定し、適切な部品または製品が作成されるまで、数千のプロトタイプの開発を可能にします。」

「この追加の資金により、航空宇宙・消費者・産業・医療、および自動車の各分野の主要なグローバル企業とのパートナーシップをさらに拡大することができます。」

部品を調達したい発注者は、同社のサイトにアクセスして、メールアドレスを入力後、デザインをアップロードするだけで見積もりを作成してくれます。

またオンライン上でプロジェクトを開始して、同社のエンジアと技術的な確認を行うことができます。

 

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●3.進まない日本のサプライチェーン・デジタル改革

 

UPSの3Dプリントテクノロジーを活用した新しいサービスは、今後のサプライチェーン大変革を予見させます。

一方で国内のサプライチェーンのデジタル改革は思うように進んでいません。

日本のサプライチェーンにおけるロジスティクスの最大の課題は、効率化するために自社の情報を提供しようとする意識が希薄なことです。
そもそも、SCMというのは小売り側が提供するPOSデータを基にメーカーが市場動向をつかみ、それをベースにして生産量をマネジメントしていくというのが大前提になります。

ところが、肝心のデータを小売り側がなかなか提供しようとしません。
またデータの標準化が進まないのも課題です。
データをSCMで活かすための、”標準化”と”共有”の意識が希薄なため、SCMのレベルアップが一向に進まないのです。

このままでは、日本企業が今後、ITを経営力の向上に活かし、世界をリードしていくことは難しいのではないでしょうか。
日本はものづくりにおいては、世界トップですが、こうしたビジネスプロセスのインフラ整備は昔から苦手のようです。

モノのインターネットと言われるIoTの活用がSCMやロジスティクスの分野でも期待されていますが、いくらモノからデータを集めてもそのデータが標準化されず、共有もされなければ何の意味もありません。

IoTは今後、SCMやロジスティクスを大きく変革することになるのは間違いありません。
ロジスティクス領域では、さまざまな機械、輸送機関、人々によって日々無数の荷物が運ばれています。
これらの動きをリアルタイムに捉え、効果的にマネジメントすることができれば、多くの無駄を排除することが可能であり、誰もが認知していることだと思います。

しかし、それを知っていながら、多くの企業が自社データの標準化や共有化に非協力的なのは何故でしょうか。
SCMやロジスティクスの多くの課題については危機感を持ちながら、こうした取り組みについてはまるで自社には全く関係のないような姿勢です。

 

●4.最後に

 

今後は物流に関わるあらゆる分野で人手が不足します。
2028年には輸送需要に対して25%ものドライバーが不足すると言われています。
物流コストを下げることも重要ですが、これからの物流の命題はコスト削減ではなくサステナビリティ(持続可能性)です。

IoTの進化によって省人化・標準化が期待される「ロジスティクス4.0」。
調達から生産・販売・配送まで、全てのプロセスがデータ化されて連携されることにより、需給の変動や輸送環境の変化に柔軟に対応することが可能になります。
標準化された物流情報のインフラ構築が進めばどんな企業でもロジスティクス先進企業と同レベルの物流効率化を実現できる期待も十分にあるのです。

 

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