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2020年02月04日配信分
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ロジスティクスで競争優位を確立するための2つの条件

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画像素材: Rawpixel / PIXTA

 

<目次>
1.テクノロジーの活用にはヒトの”知恵”が不可欠
2.広がる物流格差がロジスティクス成長の障壁となる
3.ロジスティクスで競争優位を確立する必須条件
4.最後に
●1.テクノロジーの活用にはヒトの”知恵”が不可欠

 

他領域に漏れず、ロジスティクス領域もデジタル化とグローバル化が確実に進んでいます。
このような時代に企業はロジスティクスにどのような価値観を持ち、目標を設定していけば良いのでしょうか。

テクノロジーの進化だけでは、グローバルなコミュニティを構築することは不可能ですし、ヒトの“知恵”なくしては、ヒトとテクノロジーの融合による働き甲斐は生まれません。

いつの時代でも、最適化を支えるテクノロジーの活用にはヒトの知恵が不可欠でした。
いくらAI(人口知能)が発達したところで、人の”想い”が込められなければ、それは社会を支えるインフラ(土台)にはならないのです。

国内のロジスティクスを世界のトップクラスに導くためには、活動を簡素化し、プロセスを統合し、そのプロセスを自動化させなければなりません。
その為には、ロジスティクス活動をプロファイリングし、客観的にデータおよびパターンを認識し、指標と指針を設定し、全体最適へと導く必要があるのです。

こうした活動は全てがヒトの“知恵”から創出されるものであり、だからこそ働き甲斐が生まれるのです。

 

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●2.広がる物流格差がロジスティクス成長の障壁となる

 

Amazonや楽天などの大企業がこぞって物流インフラの構築を急ピッチで進めています。
このような積極的な投資の動きは、この先数年は続くと見られますが、これによって物流格差が生まれています。

資金力豊富な大企業ばかりが物流インフラに積極的な投資を行い、高度な物流ネットワークを構築し、倉庫の自動化も積極的に進めています。
一方で資金力の乏しい中小企業はこうした企業の物流インフラに頼らざるを得ない状況になりつつあります。
自前で物流インフラを構築するだけのお金はないし、かといって既存のインフラではリードタイムや送料で太刀打ちできなくなってきています。
結果として、強者、弱者の関係が生まれ弱者は強者の提供するサービスの中でしかビジネスを行うことが出来なくなってしまうのです。

つい先日、大手ネット通販の楽天が一定額以上の購入者に向けて送料を無料化する方針を発表しました。
こうしたサービスを土台にしてビジネスをしている出店企業にしてみれば従わざるを得ない状況です。

国の法律や制度に企業が振り回されるということは昔からよくある話ですが、1企業のサービスの変更によって多くの企業が多大な影響を被るというのが格差問題によって増えてきています。

Amazonにしても楽天にしても、ネットショップの場を提供しているサービスのように見えますが、彼らが今やっていることは物流インフラの提供です。
アナログの物流の部分を彼らが制することによって、誰も文句が言えない状況を作り出しているのです。
多くの企業がビジネスを行う上で必須となる条件をAmazonや楽天が自らの手で作り出して、その主導権を握り、より多くの利益を手にするという戦略です。

ビジネスにおいて公平性が失われた環境から生まれるのは成長ではなく、衰退です。
今後ロジスティクスの成長を進めていく上でこうした物流格差問題は大きな障壁となるような気がしてなりません。

何故なら企業独自のロジスティクスによる競争優位の確立が難しくなるためです。
経営者の皆さんは、マーケットで成功するために重要となる競争優位について、マイケル・ポーターが説いた「価値連鎖(バリューチェーン)」の概念を学ばれたことがあると思います。

「競争優位は企業活動の中から生まれ、活動それぞれが相対的コスト地位に貢献し、差別化の基礎を創造する。
競争相手よりもより安く、より良く行うことによって競争優位をてにいれることが出来る。-マイケル・ポーター-」 

 

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●3.ロジスティクスで競争優位を確立する必須条件

 

日本では倉庫作業者やトラックドライバーなどの労働人口の不足が加速しており、人材の確保が日増しに厳しくなっています。
それと逆境するように物流サービスは高度化しており、Amazonや楽天などの大手がそうした動きを牽引しています。
ロジスティクスに多額の投資が出来ない中小企業は、人材も大手に奪われ、物流サービスの高度化に追従する体力も奪われ、彼らのサービスの中でビジネスを行うしか選択肢がなくなっている状況なのです。

先日筆者のクライアントでECを行っている企業の社長が、「出荷ミスを繰り返すとAmazonが取り扱ってくれなくなって、商売が出来なくなってしまう」と不安そうに語っていました。

物流強者が物流のインフラを握ることによって、格差が生まれ、ビジネスの公平性が失われつつあります。
このような日本のロジスティクスの課題をAIやIoTといったテクノロジーの進化によって打開出来るのでしょうか。答えはノーです。

しかし、店舗・倉庫・輸送・配送それぞれのリソースやデータをシェアリングすることで、コストを抑え、且つ高度なサービスを組み立てることが出来れば、新たな道も見えてきます。
その為にはテクノロジーだけではなく、ヒトの“知恵”による新しい未来の創出が必要になります。

企業間で人材や倉庫などのリソース、小売りデータや在庫データや製造データなどの情報を共有することで生まれる価値は計り知れません。
その為の準備が企業に求められています。“標準化”と“共有”です。
これからの市場競争で勝ち残るためには、この2つが必須条件となります。
そしてこの2つの条件を両立させる戦略をヒトの“知恵”で練り、その上でテクノロジーを活用することが、新たなロジスティクス・マネジメントと言えるでしょう。

 

●4.最後に

 

ここまで述べたように、これからのロジスティクス・マネジメントの使命は、ヒトの“知恵”とテクノロジーを融合することで、“標準化”と“共有”を推進し、コスト削減とサービス向上を通して競争優位を確立させ、さらに持続可能性も高めていくことです。

ロジスティクス・マネジメントの最終目的は、高レベルな顧客サービスを低コストで持続的に提供できるように、マーケット・配送ネットワーク・生産活動・調達活動などと密接に連動させることにあります。

これには非常に高いレベルのマネジメントスキルを必要とします。
その為には、ロジスティクス・マネジメントを現場任せにするのではなく、経営者自らが先頭に立って知識習得に励み、市場での優位性をより強固なものにしていくことが求められるのです。

 

輸快通快⑥