「総合物流施策大綱2021-2025」から今後の物流施策の方向性を探る -第一回-|在庫管理システムならカスタマイズに強い【インターストック】

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「総合物流施策大綱2021-2025」から今後の物流施策の方向性を探る -第一回-

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 画像素材:vectorpouch/PIXTA

<目次>

1.最新の総合物流施策大綱が6月に閣議決定

2.「簡素で滑らかな物流」 -(1)物流デジタル化の強力な推進-

3.「簡素で滑らかな物流」 -(2)労働力不足や非接触・非対面型の物流資する自動化・機械化の取組の推進-

 


1.最新の総合物流施策大綱が6月に閣議決定

 

2021~2025年度を期間とした総合物流施策大綱が2021年6月に新たに閣議決定されました(2017年7月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2017年度-2020年度)」は2020年度が計画期間の最終年度となっています)。総合物流施策大綱は5年毎に有識者からなる検討委員会を立ち上げ、物流を取り巻く現状や課題を整理し、今後の物流施策の方向性を政府として示すものです。本大綱は物流やロジスティクスに関わる多くの経営者の方にご覧頂きたいと思います。以下にリンクを貼っておきますので、是非ダウンロードしてご覧下さい。

※『総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)』をダウンロード

物流を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化に伴う労働力不足の深刻化、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う社会・ビジネス環境の変化、AIやIoT等の最新テクノロジーの進化等、様々な変化の中にあります。本大綱が過去の大綱と大きく異なる点は、やはり新型コロナに対する検討が含まれていることです。新型コロナ感染拡大による社会の劇的な変化もあいまって、我が国の物流が直面する課題は鮮明になりました。EC市場の急成長、非接触・非対面型による新しい生活様式、これまで中々進まなかった物流領域のデジタル化や構造改革を一気に加速させる好機ととらえています。

■我が国が直面する課題と今後の物流施策

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(出典:『総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)』 国土交通省)

 

またこのコロナ過で物流の社会的価値の再認識が進みました。私たちの元へ商品を届けてくれるトラック運転手はエッセンシャルワーカーと呼ばれるようになりました。コロナ過で多くの企業が在宅ワークを進める中でも、物流は止めるわけにはいきません。これが止まってしまったら、私たちの生活は成り立たなくなります。感染リスクを冒して日々走り回って荷物を運んでくれるドライバーの皆さんのお陰で、私たちの日常は守られていることを改めて認識するよい機会になりました。

さらには、コロナ禍による新たなニーズに対応するためにも、AI やビッグデータなど最新テクノロジーを物流の分野に取り込み、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることが重要である認識も強まりました。物流に関わる企業は、コロナに対応しながら地域課題の解決に向けたMaaS(マース:Mobility as a Service)に積極的に取り組むとともに、「非接触・非対面」型への転換を促し、省人化・自動化を強力に推進する必要があります。

国土交通省は2020年度第3次補正予算の5900万円を充て、ポストコロナ時代を見据えた非接触・非対面による輸配送モデルを構築することを目指しており、BtoCとBtoBの両面で実証事業を行っています。BtoCの実証事業は「新しい生活様式」に適応したラストワンマイルの構築を目的とし、宅配便事業者や地域コミュニティと連携して、住宅地において非接触・非対面型の配送モデルを検証しています。具体的には、共同宅配BOXや置き配を活用するとともに、自律走行型の無人宅配ロボットを利用した配送などを行います。またこのコロナ過で在宅率が上昇し、再配達率は大きく減少したものの、利用者不在による再配達は引き続き物流の大きな課題の一つです。これを抑制するためにAI・IoTを活用した効率的な配送システムも開発・検証する予定です。

BtoBの実証事業では、手荷役作業の多いことから物流改善が期待される食品物流を対象として、中継拠点の活用や貨客混載による長距離輸送の削減を目指します。また感染予防のため接触機会の軽減を図り、工場出荷から納品に至る流通過程では、事前出荷情報(ASN)を用いた検品レスの普及を推進します。

本大綱では、こうした課題に取り組むべく今後の物流が目指すべき方向性を「簡素で滑らかな物流」「担い手にやさしい物流」「強くてしなやかな物流」の3つの観点で示しています。


2.「簡素で滑らかな物流」 -(1)物流デジタル化の強力な推進-

 

本大綱の一つ目の視点は「物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流)」です。物流は他業界に比べてみてもデジタル化が遅れています。手書きやFAXによる非効率な業務も多く、また標準化についてもまだまだ課題が山積みです。これまでは当たり前とされてきた、業務の一つ一つを丁寧に見直して、デジタル化や機械化を進めることで「簡素で滑らかな物流」を目指そうとするものです。

この視点については、大きく5つの具体的な取り組みとして整理されているので順に解説します。

まずは徹底したペーパーレス化を進めることです。運送会社は未だ多くの企業が作業日報を手書きで書いてそれをパソコンに手入力しています。またFAXで受信された受発注も同じようにアナログ入力です。こうした各種処理や手続きをペーパーレスで一貫して処理できるシステムの導入、構築が急がれます。

物流デジタル化を進めるにあたって、自社を取り巻くサプライチェーンとの連携も重要です。個社最適から全体最適の視点でシステムを活用出来るデータ基盤の整備が求められます。これまでのように大手が中心となってこうした基盤を整備するだけでなく、中小企業が積極的にこうした取り組みを先導するような事例も増えていくことが期待されます。

港湾物流の関連手続はデジタル化が最も遅れている領域の一つです。関連する企業においては、この領域を電子化する「サイバーポート11」の取組を推進し、港湾物流全体の生産性向上を図ります。

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(出典:『総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)概要』 国土交通省)


3.「簡素で滑らかな物流」 -(2)労働力不足や非接触・非対面型の物流資する自動化・機械化の取組の推進-

 

ロボットや無人フォークリフトなどの導入が進んでいますが、こちらについてはデジタル化同様、個社最適の視点ではなく、全体最適の視点で取り組みを進めていくことが大切です。ただし物流の機械化、自動化については多額の投資が必要となることもあり、多くの中小企業では導入が困難である点は課題としてあります。国としては、「自立型ゼロエネルギー倉庫モデル促進事業」など導入支援策も検討を進めています。

幹線輸送における自動化・機械化については、トラック隊列走行や自動運転トラックの活用が大きな期待を集めており、今後も実証実験が積極的に行われていきます。 海上輸送においては、AIやIoTなどのテクノロジーを活用して、船舶のリアルタイム状態監視、気象や周辺情報に基づく最適な航路探索等に取り組むことで、海難事故の減少、船員の労働環境の改善を目指します。

航空輸送については、 2025年までに空港制限区域内における車両に関わるレベル4の無人自動運転の導入を目指して自動化・効率化を進める予定です。

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(出典:『総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)概要』 国土交通省)

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