5分で学ぶ。今さら聞けない、物流デジタル化のキホン中の基本!|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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5分で学ぶ。今さら聞けない、物流デジタル化のキホン中の基本!

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 画像素材:ニワトコ/PIXTA

物流業界は、商品やサービスを製造した場所から最終顧客まで効率的に移動させるための重要な役割を果たしています。しかし、従来の物流プロセスでは、情報の非効率性や手作業によるヒューマンエラー、遅延、在庫の見えにくさなどの課題が存在しました。こうした課題に対処し、物流業界をより効率的かつ競争力のあるものにするために、物流デジタル化の必要性が高まっています。

本稿では、”5分で学ぶ。今さら聞けないシリーズ”として、改めて物流デジタル化の基本的な要素と、今後の未来展望について考察します。

「デジタル」や「テクノロジー」について苦手意識を持っている方たちへ向けて、物流デジタル化を徹底的に「わかりやすく」解説します。
20年以上、「物流のデジタル化」という悩みと向き合ってきた経験から、各トピックそれぞれで「腹落ち」する例え話や図解を用いることで、できるだけ読者が納得し、理解しやすい工夫を随所に盛り込みたいと考えています。

執筆:東 聖也(ひがし まさや)

<目次>

1.物流デジタル化を構成する5つの技術要素

2.物流デジタル化の未来展望

 

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1.物流デジタル化を構成する5つの技術要素

 

 

物流デジタル化と一言でいっても、対象は広範にわたります。WMS、TMS、WCS、IMSなど物流関連ソリューションは実に様々あります。ITやデジタルの業界はアルファベット3文字が大好きです。上記以外にもSCM、LFA、LMS、OMSなどなど。物流デジタルソリューションだけでも、30以上の種類があります。

これらは、物流の機能をカテゴライズして、それぞれに名称が付けられています。倉庫管理であればWMS、輸配送管理であればTMS、マテハン管理であればWCSといった具合です。本稿では、これらの機能毎のソリューションを構成している物流デジタル化の技術を要素別に整理することで、物流デジタル化のキホンを皆さんに分かりやすく理解頂きたいと思います。私は、技術要素は大きく5つに分類して考えるようにしています。以下にそれぞれ解説します。

1.自動化とロボット化

物流倉庫でのロボットや自動化システムの導入により、在庫管理やピッキング、梱包などの作業を効率化できます。自動化により、作業の正確性とスピードが向上し、コスト削減にもつながります。近年ロボットを導入する企業も急増しています。人手不足が進む物流業界では、今後もロボットによる物流自動化が進展するのは間違いありません。

2.ビッグデータと予測分析

ビッグデータの活用により、物流プロセス全体をリアルタイムでモニタリングし、需要予測や在庫最適化などの予測分析を行うことが可能になります。これにより、
需要と供給を合わせることができ、在庫の無駄を減らし、効率的なルートプランニングを実現できます。物流領域で扱われるデータは、POSなどの流通小売側で扱われるデータよりも早いタイミングで市場の動向を把握することが可能になることから、近年では物流データの活用に着目した新しいソリューションが沢山生まれています。

3.クラウドベースのシステム
クラウドベースのシステムを使用することで、情報の共有とリアルタイムのコラボレーションが可能になります。物流には沢山の部署や企業が関係します。クラウドベースのシステムを導入することで、それぞれ業界の関係者は、シームレスに情報をやり取りし、需要や供給の変化に対応することができます。相互接続されたデータベースには、アクセル管理規定にもとづいて自動的に情報が共有されます。2016年に実施された調査によれば、クラウドコンピューティングは、ほぼすべてのサプライチェーンにおいて決定的な役割を果たしています。今後は物流データを自社のみで利用するのではなく、出来る限りオープンにして沢山の人と共有する「データ民主化」の流れが主流となります。

4.IoTとセンサーテクノロジー

物流業界では、IoT(モノのインターネット)とセンサーテクノロジーを活用して、貨物や輸送機器の追跡、モニタリング、および在庫管理を行うことができます。
これにより、リアルタイムの可視性とトレーサビリティが向上し、問題の早期発見と迅速な対応が可能になります。IoTセンサーを貨物コンテナや輸送車両に取り付けることで、貨物の位置、温度、湿度、振動などの情報をリアルタイムでモニタリングできます。

トラックや配送車両にIoTデバイスを組み込むことで、運行データ(速度、燃料消費量、エンジンの健康状態など)を収集し、運行効率と車両の保全状態を管理することもできます。これにより、ルート最適化、燃費改善、トラックの整備スケジュールの最適化などが実現されます。

その他にも、倉庫内にセンサーやRFID(無線周波数識別)タグを配置することで、在庫の可視性と管理を向上させたり、道路上のセンサーや交通信号機と連携したIoTシステムを使用することで、交通情報をリアルタイムで収集し、交通量の変動や渋滞を予測・監視することもできます。

IoTの活用により、物流業界は効率性の向上、リアルタイムの可視性、コスト削減、顧客満足度の向上などの利益を享受することができます。

5.人工知能と機械学習

人工知能(AI)と機械学習の技術を活用することで、物流業界ではルート最適化、トラフィック予測、トラブルシューティングなどの課題に対処できます。AIは、
データのパターンや傾向を分析し、より効率的な意思決定を支援します。物流業界では、AIがさまざまな領域で活用されています。AIは、大量のデータやリアルタイムの情報を分析し、最適なルートや配送計画を提案することができます。交通情報、天候データ、配送先の需要予測などを考慮し、効率的なルートと配送スケジュールを作成することで、時間と燃料の節約が可能です。

また、過去のデータや傾向を分析し、需要の予測を行うこともできます。需要予測に基づいて在庫レベルを最適化し、在庫不足や在庫過剰を防ぎます。
AIはロボットや自動化システムと組み合わせて使用されることも増えています。例えば、自動ピッキングロボットや自動運転フォークリフトは、AIの技術を活用して倉庫内の作業を効率化し、作業者の負担を軽減することに役立っています。

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2.物流デジタル化の未来展望

 

以上、物流デジタル化を構成する基本的な技術やテクノロジーを要素別に整理して解説いたしました。WMSやTMSなどの各ソリューションは、こうした技術をそれぞれの物流機能に応用することで開発されています。物流デジタル化は、今後ますます重要性を増していきます。物流デジタル化により、供給チェーン全体がスマート化され、リアルタイムの可視性とコラボレーションが向上します。サプライチェーンの各ステップでのデータの共有と分析により、リードタイムの短縮、在庫の最適化、生産効率の向上が実現されます。

また今後は、自動運転車両やドローンなどの技術の進歩により、物流業界ではより自律的な輸送システムが実現されるでしょう。これにより、効率的なルートプランニング、トラフィックの最適化、安全性の向上が期待されます。もう1つ、物流の未来を語る上で欠かせない視点は環境への配慮です。物流デジタル化は、トラックのルート最適化や輸送モードの選択などにより、燃料消費や二酸化炭素排出量の削減に貢献すること求められます。

物流のデジタルによる変革プロジェクトは、すべての企業に成功が約束されているものではありません。だからこそ、物流プロセスのデジタルによる合理化、効率化は慎重に計画を立てる必要があります。企業は往々にして、それを使いこなす人よりもテクノロジーを偏重しがちです。テクノロジーがあれば万事解決というわけにはいきません。自社の戦略全体の中でどのようなテクノロジーを選択し、大きな付加価値を生みだすかという発想で取り組む必要があります。

物流デジタル化の未来展望は、技術の進歩や需要の変化によってさらに発展していくでしょう。デジタル技術の活用により、より効率的でサスティナブル(持続可能)な物流システムが実現され、ビジネスと環境の両面での利益が得られると期待されています。

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