EC業界のロジスティクス事情 ~宅配運賃値上げ対策 3つのポイント~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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EC業界のロジスティクス事情 ~宅配運賃値上げ対策 3つのポイント~

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画像素材:PIXTA

 

日銀が“19年度ごろ”を達成目標とする物価上昇2%ですが、根強く残っている消費者のデフレ心理に対して、小売業界は販売価格の値上げに慎重な構えを見せており、その道のりは険しそうです。

それでも、2017年は我々の身近な沢山のモノが値上げされました。
電気料金やガス料金などの公共料金から、カップ麺やバターなどの食品まで次々と値上げになりました。

中でもEC事業者にとって最も痛かった値上げは、運送会社の運賃値上げではないでしょうか。
2017年は「運賃値上げ」「再配達問題」「働き方改革」など運送業界にとっては波乱の一年でした。

宅配大手3社の基本運賃値上げは様々な業界に大きな影響を与えましたが、EC事業者にとっても大打撃です。
物流業界の課題は今や社会問題にまで発展してしまっているため、EC事業者としてはこうした各社の運賃値上に「ただ従うしかない」といった見方が大半の様です。

よほど大口の取扱い量があれば話は別ですが、中小のEC事業者の場合は運送会社の運賃値上げにただ従うしかないのが実状です。

2018年3月にはゆうパックも運賃を値上げすることを発表していますので、運賃値上げの動きは今後もしばらく続く可能が高いです。

しかし、運賃がダイレクトに顧客の購入価格に反映されるEC事業者としては、このまま手をこまねいているわけにもいきません。

今回は荷主であるEC事業者がこうした運賃値上げに対して打てる対策を3つご紹介させて頂きます。

 

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*** 1:複数の運送会社を使い分ける ***

 

日本では全国に宅配をしてくれる運送会社は限られています。下記の5社が全国に自前で配送網を保有しています。
EC事業で顧客に商品を届ける際、必然的に下記の5社の中から利用する運送会社を選択することになります。

 

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選定ポイントはいくつかありますが、一つは運送会社の営業所が自社に近いことでしょう。
荷物を集配しに来てくれるので、あまり関係ないと思われるかもしれませんが、急な依頼をしたい場合などは自社で荷物の持ち込みをしたりする場合もあるので、やはり近い方が何かと便利で安心です。

もう一つ重要な選定ポイントが運賃です。
各社の運賃は荷物の重量と縦横高さの3辺合計サイズ、送り先地域によって異なり、それぞれに強み弱みの特徴があります。

3辺合計が100cmで重量が20kgの荷物を広島から東京へ送る場合の運賃を主要5社で比較してみましょう。

 

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このケースの場合、一番運賃が安いのは断トツでゆうパックになります。
ゆうパックは重量30kgまでの荷物は重量によって運賃が変わらない為、重たい荷物を送る場合はお得になります。

続いて、3辺合計が120cmで重量が5kgの荷物を広島から東京へ送る場合の運賃を比較してみます。

 

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今度は佐川急便が一番安くなりましたね。重量が軽くサイズが大きくなると、佐川急便がお得になることが分かります。

自社の荷物の特性にあった運送会社を適切に選択することがいかに重要であるかがお分かり頂けたと思います。

中小のEC事業者では、1社から2社程度の運送会社しか利用していないケースほとんどです。
運賃を出来る限り安く抑えようと思えば、多少面倒でも3社~5社を賢く使い分けして運賃の最適化を図ることをお勧めします。

最適化に成功すれば、年間の運賃総額が10%~15%位はすぐに削減出来ますので、是非お試しください。

 

*** 2:事前にサイズ、重量を計算してあげる ***

 

こちらは直接EC事業者にメリットがある対策ではないのですが、運送会社のドライバーさんが助かる方法です。

予めサイズと重量を計っておいて送り状に記載をしてあげます。
そうすればドライバーさんが荷物を集荷に来てくれた際にわざわざメジャーを取り出して計らなくて済むため、ドライバーさんの負担が軽減されます。

荷主側も協力できるところは積極的に手を貸してあげることで、運送会社の負担が軽減され、少しでも運賃値上げの歯止めに貢献できれば長期的にはメリットが出ます。

運送会社のリソース不足については運送会社だけの問題ではなく、社会全体の共通課題ですので、皆で助け合って日本のEC事業の成長を後押ししましょう。

 

*** 3:各社のサービスを随時チェックする ***

 

運送会社は各社様々なサービスを展開しています。
こうしたサービスは頻繁に変更されていますので、各社のサービスを小まめにチェックして自社の配送にメリットがあれば積極的に利用させて頂きましょう。

いくつか例をご紹介すると、複数個口を同じ場所に送る場合は、ヤマトやゆうパックでは下記のようなサービスを提供されています。

■ヤマト・・・「ヤマト便」というサービスがあり複数個口を1つの荷物として配送してくれるため、運賃が割安になります。

■ゆうパック・・・複数の荷物を1ヶ所に送る場合、1個当たりの運賃を60円割引してくれます。

また小さな荷物を送る場合、ヤマトでは下記の様なサービスも提供しています。

■ヤマト・・・「宅急便コンパクト」というサービスを利用すれば、60サイズ以下の場合、通常便よりも1個口あたり302円お得になります。

特にヤマトと佐川のサービスは豊富で頻繁に内容が変更になっているので、要チェックです。
こうしたサービスを運送会社側から積極的に提案してくることはほとんどありません。
お得なサービスを知らずに通常配送で依頼してしまっても、ドライバーさんが「こっちのサービスがお得ですよ」と配送サービスをその場で変更してくれることは皆無でしょう。
※あくまで筆者の経験ですので、他では積極的に提案されているドライバーさんがいらっしゃるかもしれません。

各社のサービスを随時チェックして、利用出来るサービスはどんどん利用して、お得な運賃で基本料金の値上げ分をカバーしましょう。

 

※※最後まで読んで頂いた方に耳寄りなお知らせ※※

 

EC事業者にとって、運賃の安い運送会社を適切に選択するのは、今後益々重要になってきます。
運送会社の運賃形態は各社差別化を図る為により複雑になることが予想されるからです。
出荷指示データを元に最適な荷造指示を自動作成し、最適な運送会社を自動で選択してくれる大変便利なシステム『輸快通快(ゆかいつうかい)』をご紹介します。

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