EC業界のロジスティクス事情 ~物流拠点の移転に活路を見出す~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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EC業界のロジスティクス事情 ~物流拠点の移転に活路を見出す~

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画像素材:PIXTA

 

*** 物流はEC事業のビジネスドライバー ***

 

ユニバーサルシティ駅に次々と押し寄せる人の波は、沢山の笑顔に溢れています。

2014年に450億円を投資したハリー・ポッターのアトラクションは大成功を収め、USJの来園者数は2015年10月には過去最高の月間175万人に上り、単月ではありますがついに東京ディズニーランドを超えたのです。

こうしたUSJ奇跡の復活の影には、一人の一流マーケターの存在がありました。
その人の名は森岡 毅(もりおか つよし)。
彼は自著『USJを劇的に変えたたった一つの考え方』の中で、ビジネスの結果を左右する衝くべき焦点である「ビジネスドライバー」を明確に定義し、そこに資源を集中させることで、USJを復活させることが出来たと言っています。

EC企業にとって、物流はまさにその「ビジネスドライバー」です。
他社との差別化を図る競争領域であり、送料の無料化・配送リードタイムの短縮・梱包やラッピングの工夫など各社様々な取り組みを行っています。

物流活動によって発生する費用全般を物流費(物流コスト)と言いますが、この物流費はEC事業者にとってどの程度のインパクトがあるのでしょうか。
EC事業における1注文あたりの原価構成を見てみましょう。

 

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仕入原価については、商材によって40%~70%の範囲で変化しますが、概ねこのような原価構成になっており、利益率は10%~15%が平均値です。

1注文あたりの物流費は平均12%です。
ご覧の通り、物流費のうち大半を占めるのは宅配運賃です。宅配運賃については、今後も上がることはあっても下がることはないでしょう。
よって1注文あたりの物流費も12%から20%程度に上昇する可能性が高いです。

 

*** 関西エリア、関東エリアへの配送が約7割 ***

 

こうした宅配運賃値上げのリクスに対応する策の一つとして、関東圏に物流拠点を移転する企業が増えています。
ECでは、受注エリア(配達エリア)は扱う商材によって多少の違いはあれど、基本的には人口分布に比例します。

下の図は都道府県別の人口の割合を示したグラフです。

 

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(※総務省発表のデータを元に筆者作成)

 

上のグラフの通り、関東エリア、関西エリアで全体の7割を占めます。
仮にショップの拠点が福岡にあった場合、福岡から関西エリアや関東エリアへ7割発送することになる為、運賃では関東圏に拠点を構える競合ショップに太刀打ちできません。

福岡から関東エリアへ配達する場合と、関東エリアから同エリアへ配達する場合では、1件辺り500円以上の差が発生する為、仮に1月に5,000件の出荷を行う場合、その7割が関東エリアだとすれば、1月に250万円~300万円のコスト差になります。

このような理由から地方のショップが関東エリアに物流拠点を移す動きは、今後増えていくことが予想されます。

とはいっても、倉庫を移転するには当然ですがそれなりのコストも発生します。

 

・引っ越し先での人材の確保費用
・引っ越し先の倉庫の設備費用
・商品の移動費用
・引っ越し元の原状回復費用

 

など沢山のイニシャル費用が発生します。ランニング費用についても地方と比べて多くの費用が高くなります。
人件費や倉庫家賃は確実に地方よりも高くなります。

こうしたコストをシミュレーションし、物流費が全体で安くなるようであれば関東エリアに移転することを検討してみましょう。
安くならなくても同じ位の費用であれば、関東エリアのお客様への納品リードタイムが短縮されることを考えると移転する方が得策かもしれません。

但し、今後は地方のショップの関東エリアへの拠点移動は増えることが予想されるため、物流スタッフの確保や、条件にあった物流施設を探すことは難しくなってくるでしょう。

最近では、こうしたニーズに対応すべく、様々な機能やサービスを有した物流施設が増えています。

消費者のニーズが多様化していく中で、保管機能やピッキング、流通加工に適したEC事業者専用の機能的な倉庫も存在しています。

立地も重要な選定ポイントですが、今は人を採用しやすい場所で選択するケースが増えています。
物流に好条件の立地は拠点の集積地となっている為、どうしても人材の確保が難しくなっています。
安定的に人材を確保する為には、時給を平均よりUPしなければ難しいでしょう。

 

※※最後まで読んで頂いた方に耳寄りなお知らせ※※

米国では現在、宅配運賃が年間数%で上昇しています。
これまでの荷物の重量による課金から、最近では容積による料金設定に変わってきました。
日本でも宅配運賃の値上げが続いていますが、将来的に宅配個数は現状の40億個から60億個まで増えることは間違いないので、更に値上げが進み、米国のように料金設定の仕組みが根底から変わってしまうことも想定しなければなりません。

これまでのアナログによる運賃計算、宅配キャリアの選択では、こうした変化に効率よく対応することが難しくなってきます。

荷造自動化エンジン、最適な宅配キャリアのレコメンドエンジンを搭載した輸快通快では、こうした課題にITで解決します。

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