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2019年09月18日配信分
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倉庫管理システム(WMS)のRFP作成時のチェックシートを作成しました!

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画像素材:Good_Stock / PIXTA

 

●RFPがあるとベンダー側は提案しにくい??

 

皆さんはRFPをご存知ですか?ITに詳しい方であれば良くご存知かと思います。
RFPとはRequest For Proposalの略称であり、システムを導入する際に開発を委託するベンダーに提出する文書のことです。
提案依頼書と言われたりもします。
委託先の候補として選定されたベンダー各社に、同じ内容のRFPを事前に提出することで、各社同じ条件で提案をして貰うことを目的として作成されます。

システム導入の背景・目的・概要や細かいシステム要件などが記載されています。
情報システム部門を持った企業であれば自社で作成しますし、ITに詳しい担当者が少ない中小企業では、専門のコンサルタントに依頼して作成します。

筆者は倉庫管理システム(WMS)のパッケージベンダーなので、クライアント企業様からRFPを受け取る側になります。
RFPと言っても、正式な作成ルールがあるわけではないので、その内容は企業によって様々です。
数ページで必要最低限の記載の依頼書もあれば、50ページ以上もある気合の入った依頼書もあります。

クライアント企業にとっても、ベンダー企業にとってもRFPは便利で有効ですが、実は受け取るベンダー側からすると、必ずしもそうであるとは限らないのです。

実はこのRFP・・・。ベンダー側の立場からすると、提案を難しくしてしまうケースが多いのです。
ではなぜそのようなことになるのでしょうか。
今回はそのあたりの原因を探りながら、ベンダー側が提案しやすくなる倉庫管理システム(WMS)のRFP作成時のチェックポイントをご紹介します。

 

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●ベンダーを困らせるRFPの特徴とは?

 

RFPの作成は実はそんなに難しいものではありません。
ITの専門的な知識もそれほど必要ないのです。ベンダーとしては、提案する際に以下の情報を知りたいと思っています。

 

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これは実際に提案するベンダー側の意見です。
通常はベンダーの営業担当者はいくつもの案件を抱えて提案を行っています。
しかし、これからシステムを導入する企業側は時間をかけてRFPを作成します。
専門のコンサルタントが付いている場合は、RFP作成にさらに時間とコストをかけます。

つまり、RFPを複数企業から受け取るベンダー側と、時間とコストをかけてRFPを作成するクライアント企業側で提案前から既に意識のズレが生じてしまうのです。

実際に時間とコストをかけてよく練られたRFPを作成したクライアント企業が、ベンダー数社から提案を受けた際にどのようなことを感じるているのでしょうか。

「提案はたったこれだけ?」「全くRFPに沿った提案になっていない!」「要件を満たしてるベンダーがいない!」

といった具合に、自分たちが頑張って作成したRFPに対してベンダー側の提案に物足りなさを感じてしまうのです。

仕方なく、その中から数社を選定することになるのですが・・・

一方で、ベンダー側の立場ではどうでしょうか?しっかりと作成されたRFPはクライアント企業の意気込みを感じます。
しっかり提案をさせて頂かなければならないなと営業担当者も気持ちを込めて中身を見るのですが・・・

目を通したRFPは導入目的や背景がしっかりと書かれています。
IT専門というよりも経営コンサルタント的な立ち位置の方が中心となってRFPの作成を行う場合に多いケースです。
目的や背景が数ページに渡りビッシリと書かれているので、クライアント企業の本気度と営業担当者自身の意識の差で少し提案に尻込みしてしまうのです。
また読み進めていくとその目的や背景とは全く関係のない要件が盛り込まれていたりして、本当の目的が何なのか分からなくなってしまいます。
逆に要件が足りていない点については、営業担当者の腕の見せ所なので、貴社の目的達成の為には、こうした機能が必須ですよと提案が出来ます。

次に良くあるのが難解な業務フローです。部門や事業毎に数ページに渡ってフローが書かれています。
またその企業独自、業界特有の専門用語が沢山使われています。
その会社の業務や業界を全く知らないベンダーの営業担当者が見ても、これだと全く理解出来ません。
倉庫管理システム(WMS)の場合、基本的にベンダーが知りたいのは、モノの大まかな流れと、物流オペレーションです。
モノがどこから入荷されて、どのように在庫して、どのように出荷されるのか。
それだけが分かれば十分に提案が可能です。

こちらもコンサルタントが中心となって作成されるRFPに多いパターンです。
コンサルタントは既にその企業の業務は熟知していますから、そうした知識を全てフローに表現しようとします。
しっかりと作ろうという気持ちがあってのことですので、否定は出来ませんが、RFPとして受け取るベンダー側の立場からすると、提案ポイントが見えにくく、高い壁を感じることになります。

 

続いてクライアント企業の業務担当者が中心となってRFPを作成した場合によくある事例をご紹介します。以下の図をご覧ください。

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これはRFP内の業務要件欄に記載されたものです。現状の課題に対して、求められる業務要件が記載されています。
クライアント企業の業務を全く知らないベンダーからすれば、これだけではどのような機能が必要か判断がつきません。

結果的にQAという形でこうした不明点を埋めていくことになるのですが、こうした要件が何十件も記載されていると心が折れてしまいます。
このクライアント企業専任で営業活動が出来るのであれば、しっかりと時間をかけて確認が出来ますが、なかなかそうもいきません。

社内のプロジェクトリーダーが現場にヒアリングをして、現状の課題を整理して、その解決を求める形でベンダーに投げかけるケースです。
進め方としては決して間違ってはいないのですが、初回の提案前にこうした現状の課題一覧をベンダー側に伝えても、十分に回答出来るケースは稀でしょう。
結果として、ベンダー側の提案に対して、先のような不満を持つ羽目になってしまうのです。

クライアント企業の情報システム部門が中心となって作成したRFPによく記載されているのが、以下のようなシステムの性能に関する条項です。

 

<求めるソフトウェア性能要件>
1.受注登録時の在庫引き当ては1行当たり0.5秒以内であること
2.システム同時利用するユーザー数は100人を想定してレスポンス問題なく動作すること
3.ハンディターミナルのピッキング時のレスポンスは1件登録当たり0.5秒以内とすること
4.ハンディターミナルで在庫照会時、3秒以内に在庫が表示されること

 

クライアント企業としては、機能要件を満たしていても遅くて使い物にならなければ困ってしまいますので、気持ちはよく分かります。
しかし、受け取ったベンダー側からするとこれほど難しい提案依頼はありません。

なぜなら、まだロジックも決まっていなければ、実際のハードウェア構成、データボリュームも不透明な状態でこうした要件を満たせるかどうか判断がとても難しいからです。
本来はこうした要件はクライアント企業が依頼せずとも、開発するベンダー側が設計時に考慮しなければならない点です。

 

●ベンダーから良い提案を受けるためのRFPチェックポイント

 

せっかく時間をかけてRFPを作成しても、ベンダー側から敬遠されてしまってはもったいないですね。
RFP作成時にはベンダー側の視点に立って、以下の3点について注意して作成されることをお勧めします。

 

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1.選定フェーズを2段階に分ける

選定フェーズを1次と2次に分けることをお勧めします。
ベンダー側には最初に1次と2次の選定があること、それぞれの選定時に求めること、スケジュールを提示します。
1次選定ではスケジュール感、予算感、目的等の基本的なことを伝えて、まずはベンダーに自由に提案をしてもらいます。
2次選定では業務課題に対する機能要件などを具体的に伝えて、より詳細な提案を受けるようにしましょう。

こうすることで、最初の提案前からお互いの意識のギャップが生じないため、クライアント企業もベンダーも不満なく進めることが出来ます。

 

2.一次選定では必要最低限且つシンプルに

一次選定では出来る限り簡潔に、提案して欲しい内容を伝えましょう。
筆者はこのフェーズではA4一枚程度の簡単な資料で十分だと思います。
導入の背景・目的・スケジュール感と予算感・システムの規模感と求める機能が簡潔にまとめられていれば十分でしょう。

1次選定でベンダー側の提案力を探りたいのであれば、数ある業務課題の中から1つ2つをピックアップして、この課題に対してどう解決するのか?といったクイズ形式の課題を追加するのも良いでしょう。

 

3.基本スタンスはベンダーを信頼

多くの企業、多くのコンサルタントがシステム導入の失敗を経験しています。
全くそんな経験が無いという人の方が少ないかもしれません。
結果として、RFPのような資料を作成することがシステム導入に失敗しないために必要だということになるのですが、要件の詰込み過ぎは禁物です。
RFP作成の為の書籍等を読んだのか、品質や性能条件、開発管理、開発手法などなど・・
数十項目に及ぶ要件が詳細に記載されてあるRFPを見かけますが、RFPとはクライアント企業とベンダー企業がより良い関係を構築するためのきかっけとなる資料だということを忘れないでください。
体裁の整ったRFPを作成するこが目的ではないのです。

 

必要最低限の基本的な部分を除いては、あとはベンダー側に自由に提案をしてもらいましょう。
こうした内容ではどのような構成が必要なのか、こうした課題があり解決したいが、良い提案はないか、ソフトウェア性能についても、「サクサク動くシステムにしたい」と伝えるだけでも十分だと思います。
その為にどのような工夫が考えられるかをベンダー側に質問する方が、ベンダー側も頼りにされている感じるし、各社の提案の特徴を発揮できると思います。

ベンダーもその道のプロフェッショナルです。
あれこれと要件を詰込み過ぎてがんじがらめに縛るのではなく、自由に各社の特徴を生かした提案をしてもらうスタンスが望ましいでしょう。

 

●まとめ

 

今回ご紹介したようなポイントをチェックして、RFPを作成することで、ベンダー側の理解も進むし、自社に合わない倉庫管理システム(WMS)の導入が減ると思います。
RFPを受け取る側である筆者が、RFP作成について予めチェックしておいた方が良い点を、ベンダー視点でチェックにまとめましたので、是非ご活用下さい。
以下のリンクをクリックしてご自由にお使い下さい。

『ベンダー側から見た提案し易いRFP作成のチェックシート』

 

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