DX時代の物流システム導入の3つのキーワードとは? ~タイムリミットは2025年~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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DX時代の物流システム導入の3つのキーワードとは? ~タイムリミットは2025年~

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 画像素材: tiquitaca/PIXTA

<目次>

1.年間で最大12兆円の経済損失

2.DX時代の物流システム導入の3つのキーワード

3.DXを成功させる最も重要なキーワードは「内製化」

4.おわりに

 


1.年間で最大12兆円の経済損失

 

最近、弊社にご相談頂くクライアント企業様から「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を頻繁に
聞くようになりました。DXとは、一言でいうと「デジタル技術を活用してビジネスモデルを抜本的に改革すること」です。

2018年5月、経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」のタスクフォースを設置しました。
そこで作成された「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(以下、DXレポート)によれば、
現状のままでは、「IT人材の不足」と「レガシーシステム(古い基幹システムのこと)」の2つが障害となり、
2025年以降、年間で最大12兆円(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(2025年の壁)があるといいます。

多くの経営者が、新たなデジタル技術を活用して競争力を強化する必要性について理解していますが、現場サイドの抵抗や
複雑化、肥大化したレガシーシステムがそれを阻んでいます。

本稿ではDXレポートを参考に、本レポートの要点をまとめるとともに、3つのキーワードでその解決策を解説します。

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(出典:経済産業省作成 DXレポート)


2.DX時代の物流システム導入の3つのキーワード

 

孫氏の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とあります。経営の意思決定をするためには、次の3つの因子を
十分に考慮しなければ、判断を誤ってしまう可能性が高くなります。

1.自社の強みと弱みを認識しているか
2.他社の強みと弱みを認識しているか
3.市場にどのような変化が起きているか

これらによって、自社の立ち位置が明らかになり、どのようにビジネスモデルを構築していくのか判断がしやすくなります。
本田宗一郎さんと共にホンダを創業された藤沢武夫さんの言葉に「経営者たるもの、3歩先を読み、2歩先を語り、1歩先
を照らしながら経営にあたれ」とあります。

冒頭で説明したとおり、DXとは従来のIT化とは違います。ビジネスを抜本的に変える手段としてITを活用しなければなりません。
であるとすれば、DXを成功させるには、何よりもまず企業のトップである経営者自らが大局をつかみ、トップダウンでDX推進
にあたらなければなりません。

そうすることで、やるべきことが明確になりますので、その「やるべきこと」に”集中”します。その為に「やるべきこと」を
“細分化”します。例えばやるべきことが「オーダー管理を顧客体験の向上に役立てる」というものだとすれば、以下のように
細分化できます。

1.価格の決定
2.顧客に価格を通知
3.顧客の注文を受け付け
4.発送日、納期の連絡
5.出荷完了通知の連絡
6.発送日、納期の変更
7.注文のキャンセル受付

このように細分化された各プロセスに対して、役割や責任を明確にします。その為の手法としてRACI分析が役立ちます。RACI分析
とは、特定の活動について個人または機能が果たす4種類の役割の頭文字を取った言葉です。

・R(Responsible)・・・実行責任者
・A(Accountable)・・・説明責任者
・C(Consulted)・・・協議先
・I(Informed)・・・報告先

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このようにして一連の活動の内容や、各活動の実行責任者を明確にすることによって、”やるべきこと”が確実に実行される
ことになり、その上でデジタル化を推進していくことをお勧めいたします。

何故ならば、既存システム刷新に際し、各関係者が果たすべき役割を担えていないと、情報システム部門がベンダーの提案
を鵜呑みにしてしまったり、各部門はオーナーシップをとらず、できたものに不満を言うだけになってしまうからです。

ここまで説明した通り、DX時代の物流システム導入のキーワード1つ目は「集中化」、二つ目は「細分化」です。そして
3つ目のキーワードが弊社が今クライアント企業に推進している「内製化」です。


3.DXを成功させる最も重要なキーワードは「内製化」

 

レガシーシステムがブラックボックス化している現状には、いくつかの背景があります。1つ目は「日本ではユーザー企業より
もベンダー企業にITエンジニアが多く所属している」点です。ユーザー企業は、ベンダー企業に受託開発を依頼する構造となっ
ているため、ユーザー企業側にITシステムに関するノウハウが蓄積しにくいのです。

結果的にベンダー企業がシステムの主導権を握ることになり、リプレイス、カスタマイズ、他社システムとの連携など全ての
変更をベンダー企業に頼ることになってしまいます。

また社内に情報システム部門を抱える企業でも、情報システム部門が新たな技術を活用したり、開発したりするケースは稀で
ほとんどの業務が日々のシステム運用及びユーザーサポートに充てられているのが現状です。

これだとユーザー企業内でデジタル技術を活用できる人材が育たないばかりでなく、「守りのIT投資」ばかりとなり、
「攻めのIT投資」が出来ない企業体質となってしまう恐れがあります。

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(出典:経済産業省作成 DXレポート)

2017年時点でのIT人材分布率によると、ユーザー企業が3割、ベンダー企業が7割です。欧州ではこの比率が5:5です。
ベンダーに丸投げの完全外製型から、アジャイル等を駆使して自社内でデジタル技術を活用する内製化にシフトする重要性が
今後益々高まっていくことでしょう。

そして、ユーザ企業のあらゆる事業部門で、デジタル技術を活用し、事業のデジタル化を実現できる人材を育成しましょう。

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4.おわりに

 

DX時代のシステム導入においては、従来のユーザ企業(依頼)とベンダー企業(請負)の関係ではなく、共に創るという
新しい共創型の契約形態が望まれます。ベンダー側には新しいビジネスモデルを顧客と一緒に考えるパートナーへの転換が
求められています。

医療系や金融系のミスの許されない品質最重視のシステムは別ですが、物流システムのような現場のオペレーションを担う
ようなシステムは、目まぐるしくニーズが変化します。ウォーターホール型で完全に設計していてはこのスピードに追い付
けません。アジャイルでどんどん作って、トライ&エラーを繰り返し、積極的に新しい技術を試していく攻めの姿勢が大切
です。

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