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2019年11月19日配信分
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中堅企業の経営者が知っておきたいロジスティクス戦略の基本的な考え方

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画像素材:Rawpixel / PIXTA

 

<目次>
1.物流環境の変化に直面する中堅企業の皆さまへ
2.ロジスティクスの目的とは
3.ビジネスモデルがロジスティクスの形を決める
4.ロジスティクス戦略を成功に導くテクノロジーの採用

 

●1.物流環境の変化に直面する中堅企業の皆さまへ

 

昨今は大企業だけではなく、中小企業においてもロジスティクスという言葉が現場から聞かれるまでに定着してきました。
しかし、ロジスティクス改革が業務改善や単なるシステムの改善で終わってしまっているのは一抹の寂しさを感じます。

ロジスティクスはもっと戦略的に機能して、はじめて企業の物流を改革し、利益を拡大することが可能になると考えるからです。
ロジスティクスの新たな変革の潮流とAIやIoT等の技術の発展により、ロジスティクス戦略が企業の売上や利益に与えるインパクトは皆さんが考えている以上に絶大です。

なぜ今回のタイトルをあえて中堅企業に特定したかを簡単に説明したいと思います。
中堅企業とは、独自のビジネスモデルで市場占有率が高く、売上成長も著しい企業のことを指します。
かといって大きな資本のある大企業とも違います。
中小零細から脱却しようとして頑張っているまさしく勢いのある企業のことです。

つまり、中堅企業は急激な物量の増加、取り扱い商品の増加、M&Aによる物流統合、自社物流への切り替え、物流センター増築等、物流環境の急激な変化に対応をしていかなければならず、ロジスティクス戦略が今後の企業の明暗を分けると言っても過言ではありません。
また企業の規模からしても、経営者自らが物流改革の陣頭指揮をとらなければなりません。

 

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そこで、今回はそんな勢いのある中堅企業の経営者の皆さんに是非知っておいて頂きたい、ロジスティクス戦略の基本的な考え方についてご紹介したいと執筆することにいたしました。

物流環境の変化に直面し、ロジスティクス改革が喫緊の課題であり、ロジスティクス改革にこれから着手したいといった、中堅企業経営者の皆さんが戦略構築する際のちょっとしたヒントになれば幸いです。

 

●2.ロジスティクスの目的とは

 

ロジスティクスの目的は、モノを調達・供給する際に出来る限りムダを無くして、持続的に利益を確保できる仕組みを構築することです。
顧客のニーズに応え、商品を適切に供給して売上を伸ばし、かつ、在庫が余るリスクを最小化し、かつ在庫欠品による販売機会損失も削減することで、利益を生み出すのです。

そして経営者の方に是非念頭において頂きたいのは、ロジスティクスの中枢は在庫管理であり、在庫管理はトップの仕事であるということです。
加えて言えば、SCM(サプライチェーンマネジメント)の中枢も在庫管理です。

中心に位置する在庫管理は、多くの企業や部署に関連して様々なトレードオフが発生するため、経営トップの決断が不可欠です。
各部署の責任者だけに任せていては、重要な決断が下せず、抜本的な改革が進みません。

 

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在庫管理を中枢としたロジスティクス戦略の構築で見事に成功したビジネスモデルがコンビニです。
コンビニが従来の小売店と違ったのは24時間営業と豊富な品揃えです。
コンビニには私たちが欲しいものが24時間いつでも品切れすることなく置いてあります。
狭い店舗に欠品しないギリギリの在庫で、数多くの品を揃えているのです。
コンビニはPOSの全店導入により全国の店舗の在庫管理を徹底させることで顧客のニーズに応え、在庫が余るリスクを最小化することで収益性を高めたのです。

 

●3.ビジネスモデルがロジスティクスの形を決める

 

ロジスティクスは企業の規模や業種によってその形を変えますが、何よりも企業のビジネスモデルによって大きく形を変える特性を持っています。
経営者が自社のロジスティクスを考える時、ビジネスモデルによってその形が変わることを十分に理解をしておかなければなりません。
同業他社の事例をそのまま真似をしたところで、ビジネスモデルに合っていなければ、作業の効率化は図れても、競争力が落ちてしまうといったことが起きてしまいます。

ビジネスモデルとロジスティクスの関係を説明する際に良く例に挙げられるのがデルコンピュータの事例です。
通常のPCメーカーは、完成品を見込みで生産して、代理店に在庫してもらって販売します。
しかし、デルコンピュータは完成品の在庫は持たずに、受注後に組立して顧客に直送するというビジネスモデルで大成功を収めました。

この2つのビジネスモデルの違いはそのままロジスティクスの形となって現れます。
まず在庫の形が全く異なります。
通常のPCメーカーでは、完成品を代理店の店舗や倉庫、自社倉庫に在庫します。
一方デルコンピュータは、部品を自社工場に在庫し、受注後に組み立てるため、完成品の在庫は一切持ちません。
リードタイムはその分長くなってしまうのですが、在庫を抱えなくて良いので、価格で顧客に還元出来ます。
企業などはある程度計画的に大量のPCを導入するので、多少のリードタイムはかかっても、安価にPCを購入できる方がメリットが大きいので、このビジネスモデルはBtoBを中心にヒットしたわけです。

 

●4.ロジスティクス戦略を成功に導くテクノロジーの採用

 

筆者はこれまで約20年間、常にITベンダーとして企業にソリューションを提供する側にいました。
ITツールは、導入すればすぐに効果が出る魔法の杖ではありません。
しかし、「ITはただの道具でしかない」「ツールはどれを選んでも一緒」という意見には賛成できません。
もしその意見が正しいなら、最も安価な製品が最も高いシェアを得るはずです。

ITは人間の能力を何倍にも増幅する、人類が生み出した道具の一つです。だからこそ、自社に合ったものを選択しなければなりません。
良い製品には必ず開発者が世の中に伝えたい思想や理念があります。
自社に導入する物流システムを選択する際は、「こんなロジスティクスを実現したい」、「世の中の物流をこう変えたい」といった開発者の思いやコンセプトに共感できるか、それが経営者の皆さんが目指す方向性と合っているかが最大のポイントになります。

ですから、物流システムの導入を現場任せにしないでほしいのです。
経営者の理念に合った物流システムを選ぶことができれば、必ず皆さんの会社や社員の能力を何倍にも増幅してくれることでしょう。
ITの強みを理解して道具として上手に利用し、ビジネスに活かせる経営者が一人でも多く生まれることを願っています。

 

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