製造業がロジスティクスをレベルUPさせる在庫最適化実践法⑧|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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製造業がロジスティクス管理をレベルUPさせる在庫最適化実践法⑧

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 画像素材:makaron* /PIXTA

<目次>

1.仕事の生産性向上の4つの条件

2.PSI計画で生産性を向上させるためのポイント

3.基盤定義の手順

4.フレーム定義の手順

5.計画値定義の手順

6.計画業務プロセスの手順

7.おわりに


1.仕事の生産性向上の4つの条件

 

「自己実現の第一歩は、仕事を生産的なものにすることである」

ピーター・ドラッガー著「マネジメント」の”仕事の生産性”の章の冒頭にこう書かれています。

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仕事が要求するものを理解し、仕事を人の働きに即したものにしなければならないとドラッガーは説いています。
仕事を生産的なものにするには、以下の4つの条件が必要です。

1.分析・・・仕事に必要な作業、手順、条件を知ること
2.総合・・・作業を集め、プロセスとして編成する
3.管理・・・プロセスの中に、管理手段を組み込む
4.道具・・・方法論、知識、技能、IT

そしてこれらの条件を成果(仕事からのアウトプット)を中心に考え、作業の組み立て、管理手段の設計、道具の仕
様を決めていきます。PSI計画も仕事の生産性を向上させるための道具の一つです。この道具をいつ何のために使うか
は、成果を中心にして規定されなければなりません。

※PSI計画の詳細については、以下の記事を参考下さい。
製造業がロジスティクス管理をレベルUPさせる在庫最適化実践法⑦


2.PSI計画で生産性を向上させるためのポイント

 

発明家エジソンは、体系的な方法論を適用できるかどうかが明らかでない「発明」という仕事の生産性を上げること
に成功しました。彼はまず、製品を定義することから始めました。そして発明のプロセスをいくつかに分解し、相互
関係と順序を明らかにしました。こうして管理手段を設定した後に基準を定めたのです。

PSI計画もただ道具として用いるだけでは効果が発揮されません。こうした道具に使われてしまっている現場も少なく
ないのではないでしょうか。明確な意思を持って利用し、部門間でPSI計画をコミットできるための仕組みづくりが
成功のポイントです。ドラッガーによると、戦略計画とは思考であるとのこと。人の明確な意思によってのみ効果を
発揮するということでしょう。

PSI計画を導入する際には、天才発明家エジソンに倣って、まずPSI計画プロセスを定義するところから始めましょう。
PSI計画のプロセスを定義する順序は、「1.基盤定義」「2.PSIフレーム定義」「3.計画値定義」「4.計
画業務プロセス」の順になります。(下図)

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3.基盤定義の手順

 

基盤定義では、計画対象となるサプライチェーンのスコープを定め、その中における物流フローをモデル化します。
また計画の結果を何に使用するのかその成果(アウトプット)を明確にし、目的がブレないように文書化することを
推奨します。

1-a.対象範囲定義
PSI計画を実施する範囲を定義します。製品なのか、部品なのか、材料なのか、また対象となる組織や拠点、部門を
明確にします。

1-b.ポイント定義
「P:生産、調達」「S:受注、販売」「I:在庫」のそれぞれの発生ポイント(場所)を明確にします。

1-c.経路定義
PSIの各ポイント(場所)をどのように情報やモノが経由して顧客および市場へ出荷されているかを定義します。

1-d.目的定義
PSI計画をいつ、何のために使うのか、どのような成果を期待するのかを定義します。成果については全社、部門別
で定義しましょう。


4.フレーム定義の手順

 

PSI計画の結果について誰がみても共通認識を持てるように、フレーム(枠組み)の定義を行います。部門や立場が
違えば、認識も異なるため、それぞれの数値が持つ意味を共通の指標として定めましょう。

2-a.PSIの意味定義
P,S,Iそれぞれの計画数値が持つ意味を定義し、誰がみても共通の認識を持てるようにします。計画数値の意味が
メンバーによってバラバラの認識だとPSI計画によって生産性の向上は見込めません。

2-b.バケット定義
各PSIポイントで計画を行う上での計画の期間(バケット)を定義します。このバケットが不明瞭だと計画精度は
落ちてしまいます。

2-c.基準LT定義
製造リードタイム、調達リードタイム、輸送リードタイムなどリードタイムにおける決まりごとを定義します。
またリードタイムについてはその設定根拠も明確にすることが望ましいです。

2-d.確定期間定義
PSI計画における、生産計画、在庫転送計画、購買計画の確定扱いとする期間の定義を行います。それぞれのデータ
の確定期間が曖昧だと正しい計画になりません。


5.計画値定義の手順

 

フレーム定義で定めた枠組みをベースに、さらに詳細に計画値の意味することろを定義します。計画を作成するため
に必要な情報、確定期間、確定バケット、計画期間を定義します。

3-a.需要計画定義
需要予測、目標計画、修正を加えた計画など、需要計画の確定までに必要な計画要素を定義します。

3-b.在庫基準定義
基準在庫、安全在庫をどのポイント(場所)で、いくつ持つのかを定義します。またその根拠も明確に定義しましょう。

3-c.供給計画定義
需要計画および安全在庫をインプットとして供給計画数を出し、手配をかけるまでに必要な計画要素を含めて定義します。

3-d.所要量定義
生産手配や輸送手配に関連して発生する所要量の扱いについて定義します。


6.計画業務プロセスの手順

 

誰が、いつ、どのようにしてデータをインプットし、どういったアウトプットをするのか、これまでのPSI定義フレームを
前提に業務プロセスを定義します。

4-a.計画サイクル
PSI計画を週に1回確定するのか、毎月1回確定するのかを決定します。

4-b.需要計画立案
需要計画を確定するまでの業務プロセスを定義します。誰が、いつ、どのようにして確定させるのか等・・。

4-c.PSI計画立案
PSI計画を立案する業務プロセスを定義します。計画責任者、作成者等・・。

4-d.在庫基準設定
在庫基準の設定や見直しのプロセスを定義します。設定者、見直しサイクルなど・・。


7.おわりに

 

PSI計画は予測システムではありません。資源を行動に結びつけるためのツールです。いま意思決定をし、行動するために
用います。PSI計画の最大の利点は、自社の在庫をマネジメントできるようになることです。こうした自己管理は組織に強
い動機づけをもたらします。適当にこなすのではなく、最善を尽くす願望を起こさせることができます。あらゆる製造業が
PSI計画を正しく運用することで、在庫を必ず減らすことが出来るのです。

PSI計画を検討したい、PSI計画についてもっと詳しく知りたいという方は、無料相談を実施しておりますので、
以下よりお問合せ頂ければ幸いです。

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