経営者のための物流DX実践ガイド① ~基礎知識編~|在庫管理システムならカスタマイズに強い【インターストック】

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経営者のための物流DX実践ガイド① ~基礎知識編~

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 画像素材: Marish /PIXTA

<目次>

1.はじめに ~物流DXは目的ではない~

2.物流・ロジスティクスの進化 ~大量から多頻度へ~

3.物流・ロジスティクスの進化 ~装置から情報へ~

 


1.はじめに ~物流DXは目的ではない~

 

私たちの日常生活や企業活動は今、5G時代の到来を迎えて劇的に変化しようとしています。私たちが日頃利用
しているスマートフォンやクラウドサービスなどは5Gという新たな技術革新によって、更に高度化、高速化が
進み便利になっていくことでしょう。

5G環境で今より高速に大量のデータを活用できるようになれば、物流も含めた流通システムは迅速にムダなく、
かつ高度に刷新されていくことは間違いありません。

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そのような期待がふんだんに込められた「物流DX」は今、私たち経営者にとって最も重要な企業戦略の一つで
あることは言うまでもありません。物流を取り巻く環境は、少子高齢化やEC物流の急激な増加によって大変厳
しい状態にありますが、この物流DXによって、AIやIoTといった最先端のイノベーションの活用が進めば、解決
の糸口を見つけ出すことが出来るかもしれません。

しかし、物流DXというのはただ単にそうした最先端のテクノロジーを企業戦略に活かすという発想では成功し
ません。自社の強みを活かし、それを最大化しつつ、新たなビジネスモデルを抜本的な改革により断行し、そ
こにテクノロジーを上手く融合させることによってのみ、物流DXを成功させることが出来るのです。ただし、
ここで勘違いしてはいけないのは、物流DXは目的ではないということです。事業の成長と顧客満足のための手
段に過ぎません。

弊社は企業の物流デジタル化の支援をさせて頂いておりますが、1年ほど前から弊社に寄せられる問合せや相
談の内容が大きく変わってきました。これまでは「誤出荷を減らしたい」「ピッキングを効率化したい」「在
庫を適正化したい」といった具体的かつ、近視眼的な課題解決の為にシステム導入を検討される企業がほとん
どでした。しかしここ最近は「新し事業を検討しているが物流システムをどう構築するか」「デジタル化を進
めたいがそうすればいいか」「DX推進プロジェクトを立ち上げたいので協力してほしい」といった中長期的な
視点での相談が増えてきました。

従来のIT化とは一線を画す物流DXを目の前にして、恐らく誰もがどのように実践していけばよいのか、迷って
いらっしゃるのではないかと思います。そこで、そのような方々に向けて何かヒントになる情報を提供出来な
いかと考えました。

本稿では、5Gによって実現されるコネクティッド社会に向けて、物流やロジスティクス領域に関わる経営者の
皆さまに私の専門分野である物流システムの視点から、物流DXをどのように実践していくべきかを一緒に考察
していきたいと思います。また経営者に限らず、それに関わる物流責任者の方々、エンジニアや学生の方々が、
自らの専門領域と重ねて物流DXの理解を深めて頂ける一助になれば、大変嬉しく思います。


2.物流・ロジスティクスの進化 ~大量から多頻度へ~

 

今後どれほど技術革新が進もうと、物流という作業が”モノを数えて運ぶ”といった活動であることに変わりは
ないでしょう。最近では3Dプリンタによって、モノを運ばずにデータのやり取りだけで顧客に部品や製品を納
品するようなロジスティクスとファクトリーの一体化が進められていますが、対象はまだまだ限定的です。

数えて運ぶことが活動の基本である以上、量が増えれば人の手だけでは限界があります。大量に扱うためには
技術の力に頼るより他にありません。現代の物流に関連する技術は、量をこなすために進化を遂げてきました。
今後もデジタル化やロボティクスによって、今よりもっと量をこなすための研究や実験が続けられていくこと
でしょう。

しかし、ここで一つ重要な観点があります。昨今の物流クライシスによる「運べない時代」は、決して量が増
えたためではないということです。ここ十数年、国内の物量自体は大きく増えてはいません。GDPが増加してい
ないことを考えればそれも当然ですね。昭和の高度経済成長時代は生産量と消費の爆発的な増加によって、大
量生産が必要とされました。そのため大量在庫、大量輸送のための技術開発が急速に進展しました。

では、一体何が増えたために運べなくなってしまったのでしょう。それは”物流頻度”です。EC物流の爆発的な
増加によって、物流の単位が小さくなり、物流を行う回数が増えてしまったのです。高度成長時代はパレット
単位での輸送が、コンビニエンスストアの普及でケース単位になり、そしてECの普及によってバラ単位になっ
てしまったのです。

物流が、従来のように大量生産、大量輸送を前提とするなら、今後は人に頼る作業をロボットに置き換えてい
けば済むことです。大量に保管し、大量に高速に処理することが今後も求められることに変わりはありません
が、益々小さくなっていく物流単位と増えていく物流頻度に自社の物流モデルをどのように再構築していくの
か、これは物流DXを進めて行く上でも重要な視座になるでしょう。

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3.物流・ロジスティクスの進化 ~装置から情報へ~

 

これまでは物流のインフラと言えば、輸送のための道路や鉄道、中継や保管のための倉庫やセンターなど物理
的な装置が主でした。しかし、今後の物流の最重要インフラはコスト最適化や処理速度高速化のための情報シ
ステムが物理的な装置と同じく重要になってきます。

物流全体の情報を扱う物流システムが基幹システムやERPとは分離された形で実装され、在庫や輸送を最小限に
抑えつつ顧客満足度を最大化させるインフラとして機能することを目指さなければなりません。

またこうした物流システムは、1社単独で利用するだけでは、インフラとしての機能を満たしません。物流は
すでに”競争”から”共創”の時代に突入しています。自社を取り巻くサプライチェーンや関係各社と共通のシス
テム、共通のデータ、共通のプラットフォームとして機能させることが求められる姿です。

とくにこうした物流システムで期待が高まっているのは、輸配送計画における車両手配、需要予測や在庫分析
による在庫最適化です。ここに着目したソリューションの研究開発を弊社でも進めていますが、世界中の企業
がここに着目しています。我々のようなIT企業だけではなく、製造業や流通・小売業も同様です。

AIやビッグデータを活用したこのような物流システムの構築は、事例としてまだ少ないことから、導入
前の費用対効果の検証が難しいのも事実です。しかし、そこに勇気を持って仮説を立て、チャレンジす
ることこそが物流DXの本質であると私は考えています。

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私も小さな会社ながら経営者という立場ですから、企業が大きな投資を行う際には費用対効果によるシステム
評価の重要性について否定はしません。しかし、ある程度導入効果が見えていてるようなシステム投資は従来
のIT化と変わらないのではないでしょうか。

DXについては、物流だけでなくあらゆる産業で検討が進められています。自社の未来を10年先、20年先で
見据えて、積極的に投資、開発を進めるべきであろうと思います。

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