経営者のための物流DX実践ガイド② ~組織変革編~|在庫管理システムならカスタマイズに強い【インターストック】

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経営者のための物流DX実践ガイド② ~組織変革編~

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 画像素材:tiquitaca /PIXTA

<目次>

1.ITベンダーが物流DXを阻む!?

2.One Teamによる総合的なビジネス分析

3.古典的なアプローチからの脱却

 


1.ITベンダーが物流DXを阻む!?

 

ITベンダー企業が中心となり、物流DXを進める場合、システム設計、開発だけに留まらず、上流工程においても
ITベンダーに任せきりとなるケースがまだまだ多いようです。しかし、ITベンダーは個々の企業のビジネスや物
流の特徴について十分な知識があるわけではありません。またこれもよくある勘違いなのですが、長年付き合い
のあるベンダーであれば、自社のビジネスのことをよく知っているからきっと他社よりも優れた提案をしてくれ
るだろうというものです。

確かに、長年の付き合いの中で他社よりも内情に詳しいことは事実ですが、ベンダーはクライアント企業と案件
単位で開発契約を交わすという関係なので、クライアント企業のビジネスの成長や、ビジョンに向けてプロデュ
ースしていくことが実は苦手なのです。目の前に起きている課題に対して表面的な手当てをすることは得意だっ
たりするのですが、「ToBeモデル(あるべき姿)」というビジョンを考え、そのビジョンを実現するために具体
策を練るといったことは、実はあまり得意ではありません。DX時代のデジタル化はクライアント企業にとっては、
未知のビジネスモデルを作る作業です。「“課題”だけではなく、”強み”に集中する」ことで、デジタル破壊
を起こさなければ意味がありません。

つまり、物流DXの推進にあたり、頼りにしていたITベンダーが実はボトルネックになるということを経営者の皆
さんに知って頂きたいのです。但し、ITベンダーを頼らない方が良いと言っているわけではありません。何故な
ら私はITベンダー側の人間なので、皆さんに頼って頂かないと事業が成り立ちません。

ITベンダーは、論理的に必要な機能や性能を明確にする一連の工程が非常に得意です。ロジカルシンキングに長
けているのです。一方ユーザー企業は自社のビジネスの特性や物流特性の情報に詳しく、何よりも自社を物流DX
によって更に成長させたいというビジョンとパッションを持っています。ITベンダーに任せきりにするのではな
く、互いにがっちりと手を組み合い、OneTeam(ワンチーム)となるよう経営トップが導いていかなければなりま
せん。

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2.One Teamによる総合的なビジネス分析

 

多くの経営者にとって、DXは曖昧で、抽象的で、不安を掻き立てるものだと思います。

ここでもう一度DX(デジタルビジネス・トランスフォーメンション)の定義について確認しておきましょう。
DXとは、「デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること」です。
このため、従来のIT導入とはかなり性質が異なります。新たな戦略に向けて舵を切るために、組織全体の抜本的
な変化が不可欠です。

これはデジタルを用いて破壊的にビジネスモデルやカスタマーバリューの創出方法を変化させることを意味しま
す。ここを十分に理解していないと、自分たちはDXを頑張って推進しているつもりが、実際はたんにITによる効
率化・最適化をおこなっているだけということになってしまいます。DXは非常に大きな取り組みであり、極めて
戦略的かつ大規模で、包括的なものだということです。

OneTeamの形成においては、こうした理解を共有するようにしましょう。そして、顧客、社員、取引先、ITベン
ダーなど、さまざまな関係者の情報を総合的に分析しなければなりません。自社が主導で要求分析(リクワイア
メント・アナリシス)を行うことが重要です。企業分析を行い、それをふまえて企業のビジネス要求を分析し、
どのようなシステムが求められているかを明確化します。その上で、優先順位を決め、さらに整理、検証など
を行います。

より良い開発を進めるには、物流・ロジスティクス領域におけるビジネス分析が非常に重要になります。組織の
構造、方針、オペレーションを理解しつつ、物流事業者、荷主企業、物流現場の思惑など、複雑な利害関係者の
抱える課題や目的について、理解しなければなりません。

こうした作業を「長年付き合いのあるベンダーに任せれば安心」とITベンダーに任せきりにしてしまうと、従来の
IT導入となんら変わらない果実を摘み取ることになるでしょう。

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3.古典的なアプローチからの脱却

 

多くの企業が物流DXを目の前にして、誰も完成図を知らない1万ピースのパズルを解こうとして必死にもがいてい
ます。あまりに多くの経営者がこのようなパズルを目の前にして、「撃て、構え、狙え」のアプローチを採って
います。物流DXを推し進め、結果を出したいという強い欲求があるからです。しかし、このような変革努力は、
エンジンの回転数が最大まで上がっていても、ギアがニュートラルのままで、前に進まない自動車のようなもの
です。膨大なリソースが消費され、自動車は少しも前進しません。

何か変革を行おうとなると、まず社員の危機意識を煽り、続いてプロジェクトチームを作り、ビジョンと目標を
立てて、短期的な目標を設定し、成果を確認するというステップを踏んできました。こうした手法は間違ってい
ませんし、一定の効果は皆さんも実証済みだと思います。しかし、物流クライシスという緊急事態を目の前にし
て、これから大規模な変革を行うためにDXを進めて行くというのであれば、こうした直線的なアプローチは、期
待する効果を生みません。

企業変革にあたって経営者たちは、数十年前から直線的なコンセプトやツールに頼ってきました。費用対効果に
よる決済機能、直線的なステップによるプロジェクト管理、ウォーターフォール的な開発(前工程が完了しない
と次工程に進まない伝統的な開発手法)などを思い浮かべてみてください。

手っ取り早い勝利を収めようと事業の一部分だけを改革しようとしていませんか?なんでもいいからとにかく成果
をあげるべきだと躍起になっていませんか?自分がコントロール可能なものだけに集中しようとしていませんか?

経営者の皆さんの狙いが「従来のIT導入」「古典的な変革」であれば、上手くいくでしょう。しかし大規模な物流
DXを追求するとなると話は別です。

経営トップは「脱直線的」「脱部門的」な考え方で組織のサイロから抜け出し、会社の目標を達成するため
に必要なあらゆるリソースをかき集め、活用しなければなりません。

「必要なとき」「必要な場所」に部門や部署を超えて、直線的かつ古典的な従来のステップを超えて、リソース
を総動員させるのです。組織全体とすべてのリソースを関与させるのです。変化というものが本来そなえている
「結びつき」の性質を理解しなければなりません。

周囲との結びつきを、これまでの垂直統計型のビジネスモデルや、ヒエラルキー構造から「水平協働型」に移行さ
せていく必要があります。相互のコネクティビティが成功のカギを握ります。「結びや繋がり」を意識した場を育
てていかなければ大規模な変革は実現されません。これからの経営者に必要な感覚です。

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