“今すぐ実務に役立つ” 物流センター運営の教科書 ~物流作業者の管理と教育~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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"今すぐ実務に役立つ" 物流センター運営の教科書 ~物流作業者の管理と教育~

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 画像素材: Drogatnev/PIXTA

<目次>

1.開設時のスタッフの集め方

2.パート・アルバイトの定着率を上げる方法

3.多くの人が知らない作業品質を上げる方法

4.現場リーダーに作業をさせてはいけない


1.開設時のスタッフの集め方

 

物流センターの開設時は、いわば創業、起業の段階でトップの成功への強い自信と指導力を核としてスタッフ編成することになります。
スタッフ編成は管理部門と現場部門に大別されます。物流センター運営の考え方は一様ではありませんが、基本としては人件費を適正
水準にするということがあります。この基本的考え方に基づいてスタッフを集めることが必要です。

管理スタッフは、何よりも物流センター運営に対するビジョン、夢を共有できる人でなくてはなりません。出向者で構成するにせよ、
独自に公募していくにせよ、腰掛け気分の人ではなく、この事業に全力で取り組まんとする熱意の感じられる人を集めなくてはなりません。

人件費を適正水準にするためには、パートやアルバイトの有効活用が必須となります。女性パートの場合は働き易い職場環境に留意しましょう。昨今は物流センターの集合地域は、人材の取り合いなので、空調やトイレ、更衣室や休憩室などに投資する物流センターも
増えています。労働力不足は物流事業者の実務レベルにも多大な影響を生じており、個々の企業でも対策を講じていくことが求められて
います。以下は国土交通省が作成した労働力確保のための取り組み例です。

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(出典:国土交通省「物流施設における労働力調査報告書」より)

開設時において何名の人員を集め、どう配置していくか検討のうえ決定しなければなりません。人員が少なすぎたり、教育が足りない状態でスタートすれば、現場は大混乱し、誤出荷やミスが続発します。そうなれば、管理スタッフも現場に駆り出され、朝から夜遅くまで忙殺されて、本来の管理業務ができなくなり、さらに現場が混乱するという負のスパイラルに陥ります。筆者も何度かそうした場に立ち会った経験があります。せっかく苦労して集めたスタッフがどんどん辞めていくのも見たことがあります。


2.パート・アルバイトの定着率を上げる方法

 

多能工化やローテーション制が機能していない現場では、パートやアルバイトが定着しません。担当者がコロコロ変われば、都度作業レベルが振り出しに戻ってしまい、教育コストもかかります。ドライバーに関しても同じことが言えます。この問題を解決するには、まずパート・アルバイトの募集・先行方法の見直しから行います。物流現場の多くは面接時に履歴書を持参させて、その場で採用可否を決め、30分程度の業務説明と見学だけでそのまま現場に投入しています。これを改め、事前に履歴書を確認して書類審査をパスしたものだけに面接試験を行います。さらに業務説明、見学時間を120分に増やし、楽な作業だけではなく、きつい作業の実態も見てもらうようにしましょう。

採用のハードルが少し上がるので、人手不足に苦しむ物流現場では、「さらに採用が難しくなるのでは?」と考えがちですが、それによって定着率の改善と品質の底上げが実現できると考えれば、取り組む価値はあるでしょう。また、ずっと同じ作業をやっていただくのではなく、適時、他の作業も覚えて頂き、多能工化やローテーション制を機能させることが基本になります。


3.多くの人が知らない作業品質を上げる方法

 

あるメーカー物流を受託している3PL企業でミスが多発していました。調べてみると、業務委託先の作業スタッフが商品のロケーションを中途半端に記憶していることが原因でした。バーコード管理も行っていなかったため、作業者の思い込みでピッキングすることでミスが頻発していたのです。ダンボールに示されている「天地無用」や「段積み制限」などの注意事項もお構いなしの状態でした。

商品を単なる「荷物」として扱っていれば、品質は良くなりません。作業の基本を教えることなく、すぐにシフトに組み込めば、いつまで経っても素人集団のままです。そこで筆者がお勧めしたいのが、現場スタッフに対して1ヶ月間の研修期間を設定することです。商品の知識や、商品の取り扱い方法など、修得すべき内容を予めチェックリスト化しておいて、一項目ずつ教育・指導を実施します。一方的な講義だけではなく、実習や簡易テストなどの実施も行うとよいでしょう。さらには、その商品が物流センターから出て行って、どのような人に届き、どのように利用されるかといった知識も持ってもらうことで、商品や自分たちの作業に愛着や誇りを持ってもらうことも大切です。

一番最初は1ヶ月間たっぷりと時間をかけて、こうした教育を実施し、あとは年に1回か2回こうした内容の研修を行うことで定着を図ります。

教育方法については、昇進・昇格・昇給の人事制度を明確にしていくことを基本として、OJTとoffJTを組み合わせて展開しましょう。人材育成においては、基本方針を明確にしておくことが重要です。レベルに応じて、育成目的とそのやり方を明確にしておきましょう。

育成基準の明確化も重要です。物流の基本知識や関連知識の向上といったそれぞれに基準を設けていくことです。この育成基準は、昇進・昇格・昇給に連動していくことになります。

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4.現場リーダーに作業をさせてはいけない

 

どんな現場にもリーダーに任命されている人がいますが、庫内作業費の予算が厳しくなると帳尻を合わせるためにリーダー自らが作業に入ってしまうことが往々にしてあると思います。その結果、作業指示はおろか、誰がどんな作業を行っているかも分からない状態になってしまいます。

全体を見渡し、間違った作業をチェックする機能を失えば当然、品質は低下します。生産性を追うことで品質を低下させてしまう典型的なパターンです。コストと品質のどちらを優先させるべきか、まずは経営トップが方針を明確にし、品質を優先させるという基本方針を固めたら、現場リーダーに作業禁止令を出しましょう。そのため作業コストは上がりますが、現場レベルが向上し、ミスが減ることでリカバリーのための費用が低減しトータルコストを維持しつつ、顧客満足度を向上させることができます。

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